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ノートパソコンで小規模ビジネス向けローンの申し込みを行っている女性。

こうすると上手くいく!カンロ社に聞くShopify Plus 導入の心構え Do’s and Don’ts【アドテック東京2022レポート】

今年で創業110周年という長い歴史をもつキャンディメーカーのカンロ社。創業100年を機にオープンした初の直営店「ヒトツブカンロ」の商品販売を中心としたオンラインストアとして生まれたのが、Shopify Plusで構築された「Kanro POCKeT」です。

このセッションでは「Kanro POCKeT」の立ち上げから担当しているカンロ株式会社 デジタルコマース事業本部 デジタル事業開発室 兼 デジタルコマース統括室 課長の武井 優氏と、ストア構築時に技術サポートを担当したShopify Japanシニアローンチエンジニアの梅田心桜里氏が登壇。Shopify Plusで「Kanro POCKeT」を構築したときの体験談を率直に語っていただきました。

こうすると上手くいく! カンロ社に聞くShopify Plus 導入の心構え Do’s and Don’ts【アドテック東京2022レポート】

<目次>
1. コロナ禍で実店舗が休業しECを開始
2. まずは最短でスタートし、徐々に機能を追加
3. 実店舗との連携を見すえたPOS活用も模索
4. 新機能が続々リリースされるのもShopifyの魅力

1. コロナ禍で実店舗が休業しECを開始

「Kanro POCKeT」は、たんなるオンラインショップではなく、カンロ社の一般向けの商品情報も集約しているサイトです。商品情報、ブランドサイト、購入機能、チャットボット、FAQを連携して、「お客様の総合窓口」のような形になっていることが特徴です。

「Kanro POCKeT」オンラインストア開店時

Shopify Plusを導入したのは、新型コロナウィルスの蔓延で直営店の「ヒトツブカンロ」が休業したことがきっかけだと武井氏は話します。アンケートフォームを使って通販を試みたところ、予想以上の注文がありました。そこでオンラインストアに活路を見出し、最初は別のツールを使ってECストアをスタートしました。

その後、会社全体で本格的にオンラインストアに取り組む流れになり、コンサルタントのアドバイスで「Shopify一択です 」と言われたことが導入のきっかけだといいます。早くビジネスを軌道に乗せたかったこともあり、当初はショップ機能だけをShopifyに載せ替えただけでしたが、事業拡大に伴い拡張機能を自由に追加できるShopify Plusに移行しました。

「ヒトツブカンロの『グミッツェル』は入荷後に即完売する人気商品ですが、お客様に再入荷を通知するアプリ『Back in Stock:Customer Alerts』がすごく重宝しています。また今年8月末に発売した「KanroPOCKeT」専用商品『ホシフリラムネ』は9日間で初回生産数量を完売しましたが、Back in Stockの登録者数から受注の目安を確認でき、助かっています」と武井氏はそのメリットを語ります。
カンロ株式会社 デジタルコマース事業本部 デジタル事業開発室 兼 デジタルコマース統括室 課長 武井 優氏

2. まずは最短でスタートし、徐々に機能を追加

ECの構築は会社を挙げてのプロジェクトだったため、プレッシャーもあったと語る武井氏。最初はスピード重視のシンプルな構造でショップを開店させ、その後、PDCAを回しながら新たな機能を少しずつ追加していきました。

「打ち合わせの段階では『あれもしたい、これもしたい』とアイデアが出るのですが、機能にこだわればこだわるほど時間もかかってしまうんですよね。Shopify Plusにしてよかった点は、お客様の反応をみながら、『この部分は自社の強みを活かして機能を拡充しよう』『ここはいらないから削りたい』などと後から細かな改善ができること」と、その長所を強調しました。

梅田氏に具体的なメリットを問われると、武井氏は「Back in Stock:Customer Alerts」を挙げ、「マーケティング系のアプリを入れただけですぐに機能するアプリはすごく助かっています。他社ツールだとデフォルトになってない場合もありますし、それぞれのアプリが手軽な価格で使えるのはすごく魅力的です」と話しました。

導入にあたっては,Shopify伙伴からおすすめアプリをいくつか提案してもらい,そこからピックアップしたとのこと。「そのおかげもあって、最初からスムーズに機能しています。新しいアプリを入れたことで他の機能が動かなくなるというトラブルもありましたが、そのときもShopify PartnerやShopify Plus専任サポートのアドバイスのおかげで無事回復させることができ、とても心強く感じました」と、サポート体制の手厚さについてのメリットも挙げました。

3. 実店舗との連携を見すえたPOS活用も模索

3. 実店舗との連携を見すえたPOS活用も模索

今年になってからデジタルコマース事業本部を設立し、機能の拡充を進めているという同社。定期購入サービスとしてスタートした「ポケサブ」には、Huckleberryが提供している「定期購買」アプリを利用。商品を1個単位でカゴに追加でき、毎月自由に商品を変更できる柔軟さが特徴となっています。

さらに、より利便性を高めるために、定期購入のお客さまに商品発送前に注文内容変更などのリマインドをLINEで送るしくみも現在構築中だと武井氏は話します。

2022年には「東京ゲームショウ」に出展。ShopifyのPOSを使用した商品販売

さらに、実店舗とのOMOを進めることを視野に入れたPOSの活用も進めているといいます。2022年には「東京ゲームショウ」に出展。ShopifyのPOSを使用した商品販売を行いました。

カンロがなぜゲームの展示会に出展するのかと不思議に思うかもしれませんが、同社ではプロeスポーツプレイヤーが所属する株式会社忍ismと共同で、eスポーツプレイヤー向けのグミ「BRAON」を開発しています。

「今回は『BRAON』のPRをかねての出展・販売でしたが、Shopify PlusだとShopify POSは無料で使えるので、『ちょっとやってみよう』という実験も気軽に行えるのがいいですね」と武井氏。

販売を行うにあたっての出費はレシートプリンターの約10万円のみ。そのほかはiPadや会社の備品が使えたことから、低コストでイベントでの販売環境を準備できたといいます。

また、在庫管理が楽に行えるだけでなく、今回は活用できなかったがShopify POSはオンラインのShopifyの顧客やオーダー情報と連携させることもできるので、今後活用していきたいと話します。

4. 新機能が続々リリースされるのもShopifyの魅力

来年に向けて注力したいのは、B2B機能やCRMの活用だと話す武井氏。「もちろん売上も大切ですが、「カンロのファン」を増やすことも重要なミッションです。お客様をしっかり把握した上で適切なアプローチをするためにもCRMを活用していきたいと考えています」と展望を語ります。

さらに、もともとカンロのファンが多いという株主に向けたサービスの充実や、海外を視野に入れた越境ECにも挑戦したいといいます。

「Shopifyは毎年すごいスピードでいろいろな機能がリリースされているので、それらの新機能を使って『次は何をしようか?』と考えるのが醍醐味。1ヶ月前にはできなかったことが、新機能によって実現できてしまうのがShopifyのワクワクするところ」と話す武井氏。

「信頼できるコンサルタントからのすすめでShopifyを始めましたが、アドバイス通りShopifyにして良かったと本当に思っています。どんどん機能が増えていて、やりたいことを実現できます」と、改めて魅力を強調。最後は、「現在ECツールを探している方、ECを構築中の方は是非ご検討ください」と営業メッセージまでいただきました。