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ノートパソコンで小規模ビジネス向けローンの申し込みを行っている女性。

説得力のある事業計画書とは吗?11項目別に融資を受けやすいポイントを解説!

事業計画書とはそもそも何のために書くのでしょうか?

これから会社設立を考えている人や、事業を新しく始めて融資を受けたいと考えている人にとっては「初めてのことで何から書き始めればいいか分からない」、「事業計画書を作成する目的が分からない」と悩んでいる方が多いと思います。

この記事では、事業計画書とは何かを明確化し、融資に通りやすい事業計画書を作成するために必要な項目や注意点を分かりやすく解説します。

目次

事業計画書とは?

事業計画書とは

事業計画書とは、他人が見ても分かるように、ビジネスを成功させるための具体的なプランや事業内容を具体的な数値やデータで表した計画書です。

この事業計画を作成する目的は大きく分けて、「事業の改善を図るため」と「金融支援・融資を受けるため」の2つがあります。

事業計画書を作成することによって、具体的にどうすれば「売上」を上げられて、「利益」が見込めるのかを見直すことができます。事業計画書を起業した際に活用できれば、これからビジネスを一緒に始めるビジネスパートナーや従業員から信頼を得ることができ、あなたのビジネスの可能性を分かりやすく伝えることができます。

また、資金調達をするときや融資を受ける際に、魅力的な事業計画書を見せることができれば、あなたの「事業の将来性・信頼性」と「返済能力」があることを根拠のある説明と数値でアピールすることができます。

あなたの事業を成功させるロードマップである事業計画書を作成すれば、より自分のビジネスや競合他社への理解を深めることができるでしょう。

事業計画書を書くメリットは?

事業計画書を書くメリット

では、事業計画書を作成すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

事業の構造を理解することができる

事業計画書を作成することによって、あなたのビジネスの成功への道しるべとなります。具体的な売上目標の数値、商品やサービスの魅力、他者との差別化ポイント、市場規模、マーケティング方法、販売戦略、事業を軌道に乗せるための資金の使い方などを経営者であるあなたが理解することで利益を最大化することに繋がります。

事業の目的を明確化・改善を図ることができる

これまで頭の中にあって言葉にしていなかったあなたのビジネスアイディアを、言葉にして明確化することができます。言葉にして明確化することによって、これまで自分の中で「仮定」していたアイディアが実際に実現できるのか分析し、検証することができるのです。事業の目的や目標を明確化することで、事業を成功させやすくなります。

競合他社を理解することができる

事業計画書では、競合優位性をアピールする必要があり、具体的な根拠を説明するにはライバルである競合他者を分析する必要があります。競合他社を分析すれば、あなたの事業に何が足りないのかを理解することができ、そのための具体的なアクションプランを作成することができます。

顧客を理解することができる

顧客分析をすれば、ターゲットを明確化することができ、具体的なマーケティング方法や商品の販売方法を考え出すことができます。そして、顧客の立場になって事業計画書を作成すれば、より良い商品・サービスを生み出すことができ、費用対効果を得ることができます。

資金調達のサポートを受けることができる

投資家・アクセラレーターから出資を受ける場合でも、金融機関から融資を受ける場合でも、どちらの場合でも「事業の収益性」を問われます。

仮に友人から多額のお金を貸してほしいと聞かれたとしましょう。あなたは”どのくらいのお金を貸してほしいのか?」、「何のためにお金を使うのか」、「いつ頃までに返済してくれるのか」を知りたいでしょう。

これと同様に、金融機関がお金を貸し付ける時に、経営者がどのような人物で、何にお金を使い、現実的にどうやってお金を返済してくれるかを見ています。

そのため、ポイントを押さえた収益性の見込める事業計画書を作ることができれば、投資家や金融機関から信頼を得て、資金調達のサポートを受けることができます。

事業を始めるビジネスパートナーと方向性を確認できる

優秀で事業に適切な人材を集め、維持するためには会社のビジョンや目標達成の方法を示す必要があります。事業計画書が健全で実現性の高いものであれば、従業員や経営陣と足並みをそろえることができ、モチベーションを高めることにも繋がります。

起業時にどこから融資を受けられるか

起業時にどこから融資を受けられるか

起業して融資を受けたいときに、どの公的機関に事業計画書を提出して融資を受けることができるのでしょうか?

日本政策金融公庫信用保証協会は、起業した際に融資を受けられる公的機関として有名です。

しかし、起業時に融資を受ける場合、多くのケースでは日本政策金融公庫から融資を受けることをおすすめされます。

信用保証協会とは、中小企業・小規模事業者への資金調達を支援することを目的に設立された公的機関です。中小企業などが融資を受けたいときに、協会が保証人となり、金融機関からの融資を受けやすくなる信用保証制度を利用できます。

一方で、日本政策金融公庫は政府が100%出資する公的金融機関であり、一般の金融機関が行う金融の補完する役割を担っています。

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用すれば、無担保・無保証で、最大3000万円の融資を受けられる可能性があります。

また、返済期間が長く(運転資金7年以内、設備資金20年以内)、金利が比較的低いのも特徴です。

詳しい日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の情報は、こちらの日本政策金融公庫のホームページから確認できます。

また女性向けの新規開業ローンとして、日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」もあり、事業開始後約7年以内の女性の方、35歳未満か55歳以上の方が対象となっています。

日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」の詳しい情報はこちらの日本政策金融公庫のホームページから確認できます。

事業計画書に記載すべき項目

事業計画書に記載すべき項目

日本政策金融公庫が提供している「創業計画書」に基づいて、事業計画書に必要な項目をそれぞれ紹介していきます。

事業の目的と背景

事業を始める目的、動機、理由などを書きます。事業を始める上で、事業に対する姿勢やあなたの熱意を書きます。この欄には経営の理念や会社のビジョンを含めても良いです。どのような理由で創業したいのかを相手に分かりやすく説明することを意識しながら、4行全てを埋めましょう。

経営者の経歴

これまでのあなたの職務経験や経歴などを記載します。事業に関連する経験がある場合は、より強いアピールポイントになります。融資を受ける上で、創業する事業と関連のある経歴を持っている人の方が「事業を成功させやすい」という印象を与えるので、事業と関係のない経歴よりも関連のある経歴を優先して記載しましょう。

事業内容(取扱商品・サービス)

これから始める事業のコンセプトや具体的な商品名などを記載します。具体的にどのような商品やサービスを主力としてビジネスをするのかを書きましょう。

パワーポイントやワードを使って事業計画書を作成する場合は、商品やサービスの写真やイメージ画像を載せると、より相手にイメージさせやすくなります。

セールスポイント

あなたの事業の強みをアピールする項目で、事業計画書で最も大事な点のうちの1つです。どのような商品・サービスを売り、事業を成功させるのかを説得させるためには、あなたの事業で、顧客のために「解決しようとしている問題」、そしてそれを「どのように解決していくのか」を相手に説得するための根拠を述べましょう。

そして、貸してとなる可能性のある相手に対して、「事業を応援したい」と思ってもらえるように、事業の将来性をアピールすることも効果的です。あなたの事業の魅力や可能性、そして収益性を示すためにも、事業計画書の核となるこの項目はしっかり作り込みましょう。

ビジネスモデル・ターゲット・販売戦略

あなたが始めようとしている事業はどのような仕組みで売上や利益を出すことができるのかを言葉で説明します。事業のビジネスモデルをしっかり説明することができれば、あなたのビジネスの理解度を伝えることができます。

また、あなたの事業で想定している顧客層、性別、年代、ライフスタイル、収入レベルなどの要素を含めたターゲットは誰なのかも詳しく記載しましょう。

そして、これらのターゲットに対してどのようなマーケティング戦略を練っているのかを説明することができれば、より説得力が増します。

競合との差別化ポイント

あなたの事業の強みをアピールするためには、競合他社の強みや弱みを分析して、どのような点があなたの事業の方が優れているのかを説明する必要があります。競合他社と、どのように差別化を図るのかを説明し、競合優位性をアピールして、より説得力を持たせましょう。

例として挙げると、「競合他社Aはあなたのビジネスと比べて顧客のアフターサポートサービスがない。また、競合他社Bは返金保証サービスが付いておらず、商品のバリエーションも少ない。それらに比べて、あなたの商品・サービスには競合他社に勝てる付加価値をつけることができる。」といった説明などができます。

競合他社を調査するためには、競合他社がどのような市場に参入しているのか、何をウリにしてビジネスをしているのか、競合の商品の価格やサービス内容、ブランディング方法、プロモーション方法などを徹底的に調べましょう。競合を調べる際には、競合のECサイトや実店舗に足を運ぶのも良いでしょう。

販売先・仕入先・外注先の明確化

すでに販売先、仕入れ先、外注先を明確化できていれば、相手にあなたのビジネスに対する真剣さをアピールすることもできますし、あなたの事業をより相手にイメージさせることができます。実際に取引先と結んでいる契約書などがあれば、資料として添付するとより効果的です。

また、この部分は、どのようなところにあなたがお金を使うのかを数字で記入する部分となります。お金を貸す側としても、貸すお金に対してあなたが「どこに」「どのように」使っていくのかを説明してほしいので、正しい数値と情報を示しましょう。

従業員の人数

3ヶ月以上従業員を雇う場合は、従業員の人数も記載しましょう。後の「事業の見通し」の欄に、経費として「人件費」の項目もありますので、この項目も「何に対してお金を使っているのか」を示す欄になります。

お借入の状況

現在、事業主個人が組んでいるローンなどがある場合は、正しい数字を記入しましょう。公庫側は個人信用情報登録機関に照会をかけ、実際に借り入れしている数字を確認することができます。嘘の情報を記入してしまうと、信用を失うことになるので正しい数字を記入しましょう。

必要な資金と調達方法

必要な資金と調達方法
出典: 日本政策金融公庫

この欄にはどのくらいの資金が必要で、それをどのように資金調達するのかを数字を記入していきます。

左側の「必要な資金」は、設備資金と運転資金に分かれており、右側の「調達の方法」は、自己資金と家族や日本金融公庫からお金を借り入れる額を記入します。

最終的に左側と右側の合計、つまり「必要な資金」と「お金を借りる額」は一致していないといけません。

必要な資金

設備資金とは、事業に必要な設備や資産を購入するために発生する資金のことであり、店舗、工場、オフィスの増改築、敷金保証金などです。設備資金にかかった見積書や契約書なども忘れずに添付しましょう。

運転資金とは、毎月発生する固定費のことで、仕入れ費、広告費、家賃などです。最低3ヶ月分の運転資金を目安に記入しましょう。

調達の方法

続いて、右側の「自己資金」は、自分が所有している額のお金になります。融資を受ける際に、事業主個人の通帳を見せることになるので、融資を受けるときにだけ振り込まれた「見せかけのお金」ですと、事業主本人がお金を貯める計画性を持っていない人と判断されてしまいます。

事業の見通し(月平均)

事業の見通し
出典: 日本政策金融公庫

この「事業の見通し」の欄には、創業当初と事業が軌道に乗った後(1年後)のおおよその利益を記入します。損益計算書と同じような形式で、上から

  • 売上高
  • 売上原価(仕入れ)
  • 人件費
  • 家賃
  • 支払利息
  • その他の経費
  • 合計(経費の合計)
  • 利益

これらの数字を根拠に基づいて記入します。

また、右側の欄には記入した「売上高」、「売上原価」、「経費」の計算の根拠を記載する必要があります。もし、これらの根拠を示すために取引先との契約書や見積書がある場合は、資料として添付するとより説得力が強まります。

1番大事なポイントは、「毎月の利益が返済予定額よりも下回らないこと」です。

事業主が毎月の返済予定額をきちんと返していけるかが、融資を受ける際に大きなポイントとなりますので、毎月の利益は当然ながら毎月の返済額より多くないといけないのです。

事業計画書を作成する時の注意点

事業計画書を作成する時の注意点

これまでに、事業計画書の作り方について項目別に解説しました。

では、事業計画書を作成するときの注意点をまとめます。

売上高と利益を決める

事業計画書を作成するとき、1番大事なポイントは「いくら売上を出して、利益を出すのか」という点です。

これを始めに決めないと、事業計画書の多くの事柄が決まっていかないです。

どれくらいの売上と利益を出して、あなたがどのくらいの所得を得たいのかを決めていけば、それを実現するための具体的なプロセスを書き出していけます。

売上に対しての経費の使い方によって利益も変動し、目標の利益に近づけるためにはマーケティング方法や販売方法を変えていく必要があるなど、具体的な事業計画書を作成していけます。

自分の目指しているライフスタイルとも合わせて、現実的な事業計画書を作成しましょう。

自己資金がないと融資は下りない

日本政府金融公庫の創業融資を受ける場合は、「自己資金要件」に「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」と記載があるため、自己資金なしでは融資を受けることができません。

では、実際にいくらほどの自己資金があれば融資を受けられるのでしょうか?

日本政策金融公庫の「よくある質問」に「自己資金はいくらあれば融資を受けられますか?」という質問がありますが、答えには「創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で3割程度」と記載されています。

人件費

「事業の見通し」の欄にある「人件費」ですが、法人の場合は「役員報酬」の金額も記載します。そのため、「人件費=役員報酬+従業員の給料」となることに注意しましょう。

また、個人事業主の場合は、最後に残る「利益」が自分の所得となるため、「人件費」の項目ではなく、「利益」に記載しましょう。

専門用語を多用しない

事業計画書を書くときは、なるべく専門用語の多用を避けましょう。事業計画書とは、誰が見ても分かる内容の方が相手に意味が伝わりやすく、融資を受けやすいです。

また、事業計画書の量も膨大になりすぎないように気を付けましょう。日本政策金融公庫のテンプレートのように、見開きA3用紙1ページ分、あるいはA4用紙2ページ分でも大丈夫です。

融資を受けやすい事業計画書のポイント

融資を受けやすい事業計画書のポイント

事業計画書の書き方や作成する際の注意点を紹介しました。

融資を受ける際に審査に通りやすい事業計画書を作成するとき、お金を貸す側は以下の4つのポイントを見ています。

  • 今まで何をしてきたのか(経営者の経歴・スキル)
  • どのような事業を始めようとしているのか
  • 借りたお金を何に使うのか
  • 借りたお金をどうやって返していくのか

事業主は計画的にお金を返済していく能力のある人物なのか?

資金の使用用途は具体的な数字で示すことができているのか?

あなたが事業計画書に記載した数字は本当に現実的なのか?

事業計画書に示されている売上高と利益は、同業他社と比べて実現可能な数字になっているのか?

このような点を意識しながら、お金を貸す側は調査を行い、審査に通るか通らないかを判断するので、この記事で紹介した事業計画書の注意点なども踏まえながら、実現性が高く、相手に伝わりやすい事業計画書を作成しましょう。

事業計画書のテンプレートやフォーマット

事業計画書のテンプレートやフォーマット

今回の記事では、日本政策金融公庫が提供している「創業計画書」に基づいて、事業計画書の解説をしましたが、特に決まったフォーマットやテンプレートはありません。

日本政策金融公庫のホームページの「創業計画書記入例」には、「洋風居酒屋」、「美容業」、「学習塾」、「婦人服・子供服小売業」などの様々な事業計画書の例が業種別に載っているので、これらを参考にしながら記入していくといいでしょう。

また、日本マイクロソフト社のホームページでも事業計画書のテンプレートをExcelでダウンロードすることができます。

あなたが書きやすいフォーマットを選び、今回紹介した注意点やポイントを押さえながら事業計画書を作成しましょう。

まとめ

事業計画書は、融資を受ける際にも、事業を見直す際にも、大変重要なものとなります。

相手に分かりやすく、具体的な根拠と数字を基に事業計画書を提出して、あなたの事業の収益性や将来性を伝えることができれば、融資を受けやすくなり、従業員やビジネスパートナーからの信頼も得ることができます。

また、事業計画書を作成することによって、あなたの事業の目的や成功させる具体的な方法を書き出すことができるので、より事業が成功しやすくなるでしょう。

よくある質問

事業計画書には何を書く?

事業計画書には以下の項目が基本的に必要です。
① 事業の目的と背景
② 経営者の経歴
③ 事業内容
④ セールスポイント
⑤ ビジネスモデル・ターゲット・販売戦略
⑥ 競合分析
⑦ 販売先・仕入れ先・外注先
⑧ 従業員の人数
⑨ お借入の状況
⑩ 必要な資金と調達方法
⑪ 事業の見通し(月平均)

事業計画書はいつ必要?

事業計画書は、「出資・融資を受けるとき」、「事業の内容を見直すとき」、「起業するとき」に必要です。会社設立の際に、事業計画書の提出義務はありませんが、事業計画書があることによって、どのように事業を進めていくのか、具体的なアクションプランを立てやすくなるので、事業計画書を作成することをおすすめします。

事業計画書はどこでもらう?

絶対的に決められた事業計画書のフォーマットはありませんが、日本政策金融公庫がホームページで参考例として紹介しているフォーマット(テンプレート)があります。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

事業計画書は誰が作る?

事業計画書は、経営者・事業主本人が作りましょう。事業のビジョンや具体的な目標などの計画が書かれてある事業計画書ですが、従業員ではなく事業主が書かないと説得力のある事業計画書が作成できません。また、融資を受ける際に、事業主本人が審査の際に受ける質問に答えることができなければ、その事業計画書の信頼度は低くなってしまいます。

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