「不労所得」とは、一度仕組みを作り上げればあまり手間をかけなくても継続的に入ってくる収入のことです。
例えば毎月5万円から10万円の不労所得があれば、突然失業したり、病気やケガで働けなくなったりするリスクにも落ち着いて対応できるでしょう。しかし、「どうやって不労所得を作れば良いのか」、「どんな種類の不労所得があるのか」、「初心者でも始められるのか」、このような疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。
この記事では、これらの疑問を解消するため、不労所得の作り方や種類、初心者でも始められる方法などを分かりやすく解説します。
目次
不労所得とは?
不労所得とは、パッシブインカムとも呼ばれ、定期的な介入や確認を行わなくても得られる収入のことを指します。不労所得は、初期段階では一定の努力を必要としますが、仕組みを作りあげた後はそれほど手をかける必要がなく、ある程度放置していても収益を生み出します。
具体的な例としては、株式からの配当や不動産の賃貸収入がよく知られています。
不労所得の作り方:おすすめの方法9選
1. ドロップシッピングビジネスを始める
ドロップシッピングは、在庫を持たずに商品を販売するビジネスモデルです。通常、ネットショップの運営では仕入れた商品を在庫として保管しますが、ドロップシッピングではサプライヤーが直接商品を顧客に発送するため、自分で商品を仕入れて在庫を抱えたり、発送したりする手間がありません。
ドロップシッピングは初期費用を抑えながらECサイトを立ち上げることができるため、低リスクで始められる副業としても人気があります。また、一度仕組みを作り上げてしまえば、大きな手間をかけずに継続的に収入を得ることができます。
ただし、ドロップシッピングは競合が多く、価格競争に巻き込まれることもあります。また、自分が実際に商品を確認したり使ってみたりすることができないため、自分で商品の使用感などを確認できないまま販売する難しさもあります。
ドロップシッピングを始めるためのステップは以下の4つです。
- ドロップシッピング業者(DSP)に登録する
- ネットショップを開設する
- DSPから好きな商品を選んでショップに掲載する
- ショップへ集客し商品を販売する
2. デジタルコンテンツを販売する
デジタルコンテンツの販売は、音楽、動画、電子書籍など、デジタルデータを用いた商品をオンライン上で販売する方法です。初めのコンテンツ作成には手間と時間がかかりますが、一度完成させればその後は何度でも販売ができます。さらに、デジタルコンテンツは複製が容易で、在庫スペースなどの物理的な制約もありません。
ただし、苦労して作成したコンテンツが無断で複製や転用されるというリスクも存在します。禁止事項を設けてもこれを完全に防ぐことは難しいのが現状です。
デジタルコンテンツの販売方法は以下の4つです。
- 販売するデジタルコンテンツを作成する
- 商品を販売するECサイトを立ち上げる
- 販売する
- SNSやブログなどで集客する
3. オンライン講座の講師をする
投資に関する知識から美容・健康法、筋トレの方法まで、あなたが得意とする専門知識やノウハウを、オンライン講座で教えることで収入を得る方法です。
オンライン講座には主に、リアルタイムで配信するライブ配信と録画済みの動画を配信するオンデマンド配信の2種類があります。
コースの作成には時間が必要ですが、オンデマンド型の講座の場合は一度内容を録画すれば、繰り返し販売することができます。
オンライン講座の販売方法としては、自身のWebサイトを立ち上げて顧客を集めることも可能ですが、講座の運営には予約管理や受講者管理など、多岐にわたる業務が伴います。そのため、「Udemy」や「Schoo」のような「オンライン講座プラットフォーム」の利用がおすすめです。プラットフォームの利用には手数料がかかりますが、オンライン講座に必要な機能を備えているため業務を効率化できます。
オンライン講座を始めるためのステップは以下の4つです。
- 教えるターゲットと内容を決める
- 教材を作る
- オンラインスクールを構築する(オンライン講座プラットフォームを利用する)
- オンライン講座を販売する
4.アフィリエイトで広告収入を得る
アフィリエイトとは、自分のブログやWebサイト、YouTubeなどに広告を掲載し、訪問者がその広告を経由して商品やサービスを購入したときに報酬が得られる仕組みです。広告の掲載には、アフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)と呼ばれる広告出稿サイトへの登録が必要で、登録後に自分のブログに適した広告を選んで掲載します。
例えば、単価1万円の商品に対して10%の紹介報酬が設定されている場合、その商品が1個売れるごとに1,000円の報酬が得られます。月に10個売れる記事を5記事書ければ、月収は5万円になります。
しかし、アフィリエイトで収益を上げるには、サイトの検索順位を上げるための研究や、売り上げを増やすための試行錯誤、そして記事やコンテンツ作成など、多くの時間と労力を必要とします。
そのため、厳密には不労所得とはいえないかもしれません。ただし、コンテンツが一度完成してしまえば、その後はわずかなメンテナンスだけで収益を生み出し続けます。
アフィリエイトでは、たとえ記事やコンテンツを作成したとしても、訪問者の数が増えなかったり、想定していた収益を上げられないというリスクが存在します。さらに、何らかの理由で公開したコンテンツが削除される事態が生じれば、その時点で収益源が断たれてしまう可能性もあります。
アフィリエイトを始めるためのステップは以下の4つです。
ブログでアフィリエイトを行う場合:
- 独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを契約する
- WordPress(サイトやブログを作成するソフトウェア)をインストールする
- ブログを作成し、記事を書く
- ASPに登録し、記事に広告を貼り付ける
YouTubeでアフィリエイトを行う場合:
- 自分のチャンネルを作成する
- 動画をアップして視聴者を増やす
- YouTubeパートナープログラムに参加する(チャンネル登録者1,000人以上など条件あり)
- アフィリエイトリンクを設定する
5. 投資信託を運用する
投資信託は、投資家から集めた資金をプロのファンドマネージャーが株式や債券などに運用し、その成果を投資家に分配するシステムの金融商品です。専門家が運用を担当するため、投資に関する知識が浅い初心者でも安心して始められます。また、多様な銘柄に投資することで、一部の銘柄が暴落しても全体の損失を抑えることができ、リスクを軽減することができます。
利益の出方は運用成果に依存しますが、例えば年間平均利回りが5%の投資信託に100万円を投資した場合、1年間で約105万円に増え、5万円が不労所得となります。しかし、これは単純化した計算で、実際には投資信託の販売手数料や税金、市場の変動などを考慮する必要があります。
投資信託は長期投資を前提としています。一時的な市場の変動に翻弄されず、長期的な視点で着実に資産を増やすことで、不労所得を得ることに繋がります。
ただし、投資信託は必ず利益が出るとは限らず、市場環境によっては元本割れのリスクもあるということは理解しておく必要があります。
投資信託を始めるためのステップは以下の4つです。
- 投資信託口座を開設する
- 投資する商品を選ぶ
- 購入する
- 定期的に運用状況のチェックと見直しを行う
6. 株式投資で配当収入を得る
株式投資は、企業の株式を保有することで、配当金による利益を得る方法です。企業が利益を上げた場合に株主に分配される配当金が不労所得になります。
ただし、企業が安定して配当金を出し続けられるかどうかはその企業の業績に大きく依存します。そのため、株式投資においては企業の業績を判断するための知識が欠かせません。
また、銘柄によっては配当や株主優待がないものもあるため、投資前に各銘柄の配当金の実績を確認することも重要です。
株式は一般的に100株単位で取引されるため、投資開始時にはそれなりの初期費用が必要です。初心者の方は、少ない単位から株を購入できる「単元未満株」の取り扱いがある証券会社や、1株単位で取引できる米国株から始めることがおすすめです。
具体例として、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの例を挙げます。
2022年のコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの平均株価は1,483円(高値1,655円、安値1,311円)、配当金は1株当たり50円/年でした。仮に100株(148,300円分)所有していた場合、1年間で5,000円の不労所得を得ることになります。
ただし、株式投資にはリスクも伴います。企業の業績が悪化すれば配当金が出ないこともあり、株価が下落すれば元本割れにより損失が出る可能性もあります。最悪の場合、投資先企業が倒産すると投資した金額をすべて失うリスクがあるということも知っておかなくてはなりません。
株式投資を始めるための4つのステップは次の通りです。
- 証券口座を開設する
- 投資する企業を選定する
- 選定した企業の株式を購入する
- 定期的に運用状況のチェックと見直しを行う
7.不動産投資で家賃収入を得る
不動産投資は、アパートやマンションなどの不動産を購入し、入居者に貸し出すことで家賃収入を得る方法です。物件のタイプにもよりますが、都心部の一部屋当たりの家賃収入はおおよそ10万円程度が目安です。
通常、不動産投資ではローンを組んで物件を購入します。そのため、年間で得られる不労所得は、年間家賃収入からローン返済額やその他の経費を差し引いた額となります。
例えば、5000万円の物件をローンで購入し、年間120万円の家賃収入を見込めるとします。ローンの返済が年間90万円、経費が25万円と想定すれば、120万円-90万円-25万円で、年間5万円の不労所得が手元に残ります。
物件の管理は自分で行うことも可能ですし、手間を省くために管理会社に委託することも選択肢の一つです。
不動産投資のリスクとしては、災害や空室、設備の故障といったものが挙げられます。
不動産投資を始めるための4つのステップは次の通りです。
- 不動産会社に相談し、土地や物件を探す
- ローン審査を受ける
- 物件を購入する
- 運用する
8.不動産クラウドファンディングで配当収入を得る
不動産クラウドファンディングとは、事業者がインターネットを通じて投資家からお金を募り、その資金で購入した不動産を一定期間運用することで、得られた利益を投資家に分配する方法です。投資家自身が物件を購入する必要がないため負担が少なく、投資初心者や少額投資を希望する人でも手軽に挑戦できます。
一般的に、不動産クラウドファンディングの利回りは年間2〜5%程度とされています。
例えば、年間5%の利回りを得られる場合、100万円を投資すれば、1年間の運用で5万円の不労所得が得られます。
リスクとしては、入居者の減少により家賃収入が減少し、配当に影響を与えたり、クラウドファンディング事業者が倒産して出資金が回収できなくなることが挙げられます。また、不動産クラウドファンディングは換金性と流動性が低いため、設定された運用期間内の途中解約が難しいケースが多い点にも注意が必要です。
不動産クラウドファンディングを始めるためのステップは以下の4つです。
- 投資したい不動産クラウドファンディングを選ぶ
- 事業者のサービスサイトで投資家登録を行う
- 口座を開設し、入金する
- 運用が開始される
9.FX投資で収益を得る
FX(Foreign Exchange)とは、外国為替証拠金取引のことで、外貨の売買を通じて為替の変動を利益に変える投資手法です。ただし、FXの取引はリアルタイムで行う必要があるため、厳密には不労所得とはいい難い部分があります。
FXでは為替レートが上昇した時に売却することで差額分の収益を得られます。レバレッジというシステムを利用すると、自分の投資資金の最大25倍まで取引することが可能で、これにより少ない元手でも大きな利益を得られる可能性があります。ただし、レバレッジを利用すると損失額も大きくなる可能性があるため十分な注意が必要です。
FX取引を開始するには、取引口座に保証金(証拠金)を入金する必要があります。この保証金は取引数量に対して一定の比率(例えば、ドル円取引の場合は4%など)となります。
FXでは、1,000通貨や1万通貨などのまとまった単位で取引します。
仮に1ドル=100円としたとき、1万通貨を購入すれば100万円が必要ですが、25倍のレバレッジを活用すれば、4万円の元手でその取引が可能になります。
0.5円の差益で1万通貨を売買すると、1回の取引で5,000円の利益となります。
FX投資を始めるためのステップは以下の4つです。
- FX会社を選ぶ
- 取引用の口座を開設し、証拠金を入金する
- 取引する通貨ペアを決める
- 取引・決済する
不労所得の種類
不労所得は、その収入源によってさまざまな種類に分けられます。ここでは、主な不労所得の種類について紹介します。
広告収入:自身のWebサイトやブログ、YouTubeチャンネルなどに広告を掲載し、その表示やクリックから得られる収入です。アフィリエイトもこれに含まれます。
デジタル商品の販売による収入:オンラインコースや電子書籍、アプリなどのデジタル商品販売からの収益です。
オリジナル商品の販売による収入:自分でデザインしたTシャツやハンドメイドのアクセサリーなど、オリジナル商品をオンラインなどで販売することによる収入です。
スキル販売による収入:
特定のスキルや知識を商品として販売することによる収入です。語学やプログラミングなどの指導、コンサルティングサービスなどが含まれます。
投資:株式投資や債券投資、投資信託、FX投資などで得られる配当や利息、キャピタルゲイン(資産の価格上昇による利益)などが該当します。
レンタル収入:不動産投資による賃料収入、または自身が所有する物(車やブランド品など)をレンタルサービスで貸し出すことによる収入が該当します。
ロイヤルティー収入:特許権や著作権などの知的財産権を持っている場合、それらを利用した商品やサービスから得られる収入がこれに該当します。例えば、著書の販売利益や音楽の使用料、特許技術のライセンス料などがロイヤルティー収入となります。
不労所得の注意点
不労所得は魅力的な収入の形態である一方、安定した収入が必ずしも保証されるわけではありません。成功へと導くためには、適切な資産選択や投資先のリサーチ、そして分散投資といったリスク管理が必要です。
そのほか、不労所得を獲得し続けるためには以下のような点に注意しましょう。
税金がかかる
不労所得は所得税と住民税の対象となります。
年間20万円を超える不労所得がある場合は確定申告を行い、所得税を納付します。
住民税は自治体から届く納付書で納付するか、毎月の給与から天引きという形で納税します。確定申告や年末調整をしている人は自動的に住民税の申告をしたことになるため、追加での申請は必要ありません。
しかし、確定申告や年末調整をしておらず、給与所得以外で年間20万円以下の所得がある場合は、自分で住民税の申告を行う必要があります。この申告を怠ると、脱税行為とみなされる可能性もあるため注意が必要です。
住民税の申告は、市役所の市民税課や市税事務所の窓口で入手するか、自治体のホームページからダウンロード可能です。
課税対象となる不労所得には以下の種類があります。
利子所得:預貯金や国債、社債などから受け取る利子など
配当所得:株式の配当金や投資信託からの分配金など
不動産所得:不動産投資による家賃収入・地代収入など
事業所得:ビジネスを本業としている場合の所得、例えば不動産経営、小売業、ネットビジネス、アフィリエイトなど
一時所得:競馬や宝くじの賞金、生命保険の一時金など、単発的に発生する収入
雑所得:事業所得や利子所得、配当所得などのいずれの所得区分にも該当しない所得
副業としてみなされる可能性がある
不労所得を得る活動は副業とみなされる可能性があるため、特にサラリーマンの方は注意が必要です。
株式投資や投資信託などは通常副業に該当しませんが、YouTubeチャンネルの運営やアフィリエイト、不動産投資などの活動は副業と見なされることがあります。会社によっては副業を禁止している場合もあり、発覚した場合には深刻なペナルティを受ける可能性があります。そのため、事前に会社の規定を確認し、適切に対応することが重要です。
詐欺などのリスクがある
不労所得には詐欺のリスクが伴います。特に、「簡単に不労所得が得られる」とか「誰でも不労所得が作れる」と宣伝しているビジネスや投資は要注意です。また、不労所得のノウハウを高額で売りつけてくる場合もあります。そうした甘い誘惑に惑わされず、情報の提供者や企業の信用度をきちんと確認し、評判も必ずチェックしてください。情報収集を徹底し、信頼性のある情報源から最新の知識を得ることが重要です。
商店ifyを活用して不労所得への一歩を踏み出そう
不労所得への道は初期投資や時間と努力を必要とします。しかし、適切な時間管理とリスク対策さえあれば、本業がある方でも不労所得の実現は可能です。例えば、ECプラットフォームの商店ifyを使えば、あなたのライフスタイルを維持しながら簡単に新たなビジネスを始められます。特にドロップシッピングやデジタル商品販売などは、一度システムを構築すれば継続的な収益を期待できるでしょう。
不労所得の形は多種多様。自分のスキル、資金、時間、興味を考慮し、最適な方法を見つけてみてください。
不労所得についてよくある質問
不労所得は危険?やめとけといわれる理由は?
不労所得は危険だからやめとけといわれる理由は、不労所得の獲得には時間と努力を要するうえに、投資金額を回収できないリスクがあることが挙げられます。また、不労所得に関連する詐欺事件の増加も人々が不労所得に対する警戒感を持つ要因となっています。
したがって、不労所得を追求する際には適切なリスク管理を行いつつ、慎重な取り組みが求められます。
不労所得で生活している人は存在する?
はい、不労所得で生活している人は存在します。
ただし、不労所得のみで生活を維持するためにはそれなりの投資金額や高度な専門知識が必要になります。不労所得を安定的なものにするためには時間と努力も不可欠です。そのため、不労所得が安定的な収入源となるまでは、本業と並行して収入を得ることをおすすめします。