デジタルマーケティングチャネルを自由自在に使うことができる現代において、新規ネットショップオーナーを最も悩ませることは、経験から見てSEOだと考えています。
私たちの大半は日常的にGoogleなどのツールに頼っていますが、どのように検索エンジンがインデックス化やウェブページのランキングを行っているのかは、少なくとも初期段階ではあまり理解されてないようです。そのため、「どこから着手したら良いか」という質問にまずお答えしましょう。
答え:
私はShopifyのマーチャント・サクセス・マネージャーとして、マーチャントの皆さんがマーケティング業務に優先順位を付けて、業務を拡張していくための新しい方法を見出すお手伝いをしています。
私のSEO(検索エンジン最適化)に関する経験のほとんどは、自分自身のネットショップ「Weave Got It Canada(ヘアーエクステンション・ウィッグの販売ショップ)」を運営することにより培ったものです。そこではオーガニック検索によるアクセスが、ショップ全体の成長の主要軸となりました。実際、検索がうまく機能してくれたので、ビジネスが成長するに連れても有料広告に頼る必要はまったくありませんでした。
「EコマースのSEOは、最終的には長期投資になる」と言われる一方で、「シンプルな戦略を構築し推奨された実務をショップで遂行すれば、新しいショップオーナーでもそこから高い価値を得ることができる」ということを私は学びました。それを皆さんも実行できるように、ここではお勧めのステップを簡単なチェックリスト形式でご紹介いたします:
1. 設定推奨ツール
▢Google アナリティクスの設定
2. Google Search Console
▢作成したばかりの搜索控制台アカウントから,谷歌にサイトマップを送信する。すべてのShopifyショップにおいて、サイトの各ページが一覧になったサイトマップファイルは自動的に作成されます。サイトマップはGoogleやその他の検索エンジンにウェブサイト全体の構成を提供します。Shopifyショップのオーナーで関心のある方は、[ストアのドメイン/sitemap.xml] にアクセスするとサイトマップをご覧いただけます。
▢巡回エラーをチェックするためにGoogle Search Consoleを使用する。検索エンジンは、ウェブサイトやページ内を「巡回」するボット(作業を自動化するプログラム)を通して,ウェブサイトをインデックス化します。巡回エラーはボットが特定のページ(もしくはサイト)へのリーチに失敗すると発生します。もし何らかのエラー警告が出たら、直ちにそれを修正してください。
3. キーワード検索
▢Googleキーワードプランナーを使い、キーワードの検索ボリュームを把握し、キーワードのアイデアを得る。まず、Googleのキーワードプランナーの操作に慣れ親しむと良いと思います。検索の「ボリューム」とは、特定キーワードに関する1ヶ月あたりのおおよその検索量のことを表します。
▢コンテンツの種類別にキーワードをマップする。ウェブサイトの商品ページ、カテゴリー、ブログ投稿、ホームページなど、それぞれのページは異なったキーワードを使ってランク分けすることができます。キーワード調査を行えば、初期段階でどんなページを作成するべきかを教えてくれます。例えば、あるページでは情報検索をターゲットにし(例:「アロマセラピーとは何?」)、他のページでは検索ボリュームは低いものの購入意図を含むキーワード(例:「アロマセラピーボトルの購入」)をターゲットに設定することができます。
4. ページ最適化
▢ページ上でH1タグを一回だけ(必ず一回のみ)使用していることを確認する。H1(ヘッダー1)タグは通常、ページの主要ヘッドラインとして使用されるもので、主要キーワードを含みます。Shopifyページのタイトルは、Shopifyを通して作成したページであれば、初期設定においてH1タグが付与されます。ページのその他の箇所にH1タグを手動で追加するのは避けましょう。
▢ページタイトルは60文字以内とし、検索結果に表示しきらないことがないようにする。現在、Googleのほとんどの検索結果には、ページタイトルの文頭50〜60文字が表示されています。そのため、主要キーワードはページタイトルの出だしの部分に含めるようにしてください。また、ページタイトルは本文の題名や文章ではなく、シンプルな項目書きのようにデザインすることができます。括弧やダッシュなどの文字、もしくは記号や引き出し線など、主要情報をハイライトするコールアウト表示を適宜含ませると良いでしょう。
▢メタディスクリプションを155文字以下のパンチのある文章にする。Googleによると、メタディスクリプションについては厳密な文字数制限はないそうです。しかし、メタディスクリプションの多くは120文字あたりで切られていることがわかっているので、それに対応するためには、ターゲットキーワードや強力なキャッチコピーをメタディスクリプションの文頭に記し、文字数が120文字以上にならないように心がけてください。
お忘れの方のために補足します。メタディスクリプションとは、検索結果に表示されたページタイトルに続いて記載されるテキストのことを示しています。ここで表示される宣伝文句には、ページのコンテンツを明確に記し、クリックしたくなるような内容を提供することが大切です。
▢読みやすく魅力的なページタイトルを書く。ページタイトルやメタディスクリプション用に作成する宣伝文句は、ページのコンテンツを明確に説明し、重要なキーワードを含み、クリックしたくなるくらい面白い内容でなければなりません。広告文を読むオーディエンスのことも忘れないようにしましょう。検索結果にサイトページを表示させるのも大切ですが、数ある選択肢の中からあなたのWebページへ訪れるように、ユーザーを説得するのも非常に重要だからです。
▢URLにキーワードを1語含ませる。Shopifyのショップオーナーの皆さんの中には、サイトのページタイトルがURLの初期設定になっていることをご存知の方もいるかもしれません。ターゲット内容を含めた方が良いのですが、フィルターワードを避けることによりURLを短くわかりやすくまとめることをおすすめします(このブログ投稿で使用したURLを試しにご覧になってみてください)。
▢画像にalt属性とファイルネームが付いていることを確認する。Google画像は、現在のウェブ検索のおよそ23%を占めています。あなたの写真が画像検索結果に表示されるためには、一つ一つの画像に記述的ファイル名(つまり「298343798.jpg」などとはしない)を付け、alt属性を使ってそれぞれの画像が何であるかを説明する必要があります。
5. リンク
▢リンクビルディング戦略を作成する。Googleなどの検索エンジンは、特定のページやウェブサイトへの被リンク数をはじめ、その品質や妥当性をランキングの測定要素として使用しています。被リンクは「引用」として考慮されるため、検索エンジンの視点から見る時の信用度を確立します。「リンクビルディング」への最善の方法は、パートナーシップに焦点を当てるか、誰(出版社や同業他社サイトなど)に価値を提供してそれを共有してもらうかを判断することだと私は考えています。例えば、自分が販売するスキンケア商品を定期的にレビューするビューティー系ブロガーを知っているならば、簡単な自己紹介をするだけでも相互に有益にはたらく関係性を始めることができるのです。
▢競合他社が獲得した被リンクや取り上げられた記事を分析する。Moz社のLink ExplorerやAhrefs社のSite Explorerなどのツールのおかげで、競合他社ページのリンクを貼っているサイトやページを簡単に調べることができるようになりました。特に役立つのは、その事実背景を把握することです。なぜこれらのサイトは競合他社にリンクを貼ったのか?リンクを貼るほどのページ価値とは何か?なぜギフトガイドなどで何度も名前が取り上げられているのか?など、これらのトレンドを識別することが、どのパートナーと組めば良いか、そして名前を取り上げられるためにはどのような価値を提供すれば良いかなどのアイデアに至るための手助けとなるのです。
▢メディア掲載への機会を探す。まずShopifyのメディア掲載へのガイドを読み、メディアに取り上げらるためのブレインストーミングを行ないましょう。すでに手応えがあった場合には、ブランド監視ツールを使い、他のサイト上であなたのショップについての「リンクの貼られていない」掲載記事や商品があるかどうかを調べてみましょう。アラートを受け取ったら、その記事の著者や発信者とコンタクトを取り、失礼のないようにリンクを追加してもらうように依頼すると良いでしょう。
6. コンテンツ
▢基本的なコンテンツマーケティングの計画を始める。本格的なコンテンツマーケティング戦略を作成してから実施するまでには何ヶ月もの時間がかかることがありますが、まずはシンプルな作業から取りかかることが可能です:
- 顧客からの質問をブレインストームする:商品種別はわかっているものの、その詳細を理解していない顧客がどんな質問をするかを事前に考えておきましょう。例えば私のショップでは、異なるグレードのヘアーエクステンションについて、顧客が商品についての理解をより深められるようにはたらきかけ、どのグレードを選択すれば良いかについてのサポートをします。
- 顧客が商品からより多くの価値を得る手助けをする:食品を販売するネットショップの多くが、サービスの一環として簡単なレシピを紹介している例をご存知でしょうか?これは、さまざまな商品に適用できるとても賢明なアプローチです。一般的に顧客は熟練ユーザーではないため、オーナーの皆さんのように商品に関する詳細や秘訣を知らない人が多いと思います。そこで、付加価値を提供し、購入した商品を最大限に活用してもらうというわけです。
- キーワード調査を行い、質問と検索用語を合致させる:コンテンツの内容は、実際に人々が使用している検索用語と合致させる必要があります。
顧客が商品を最大限に活用する手助けをすることは、新しい顧客をあなたのサイトに呼び込むことにつながります。例として、Kettle & Fireの「骨スープレシピ」ランキングを参考にしてください。
▢情報ページとブログ投稿は500ワードくらいの量を書くようにする。明快で簡潔なコンテンツはとても価値の高いものですが、特定の質問にしっかりと答えてそれが検索結果に反映されるには、ある程度の文字数が必要になります。大抵の質問には、少なくとも数百ワードの答えを用意するのが望ましいでしょう。ただし、量よりも質の方がはるかに大切だということは覚えておきたいところです。
▢個性的な商品説明を書く。ご自分のウェブサイト上のすべてのコンテンツは、ショップのためだけに書かれたオリジナルの内容でなければいけません。例えば、生産者からもらった商品説明を使ってはいけません。なぜならば、自分で商品説明を書くことは、商品の利点や特性を売り込むチャンスでもあるからです。
▢商品ページに商品レビューを追加する。実に95%の買い物客が、購入前にレビューを読むことがわかっています。そのことからも、レビューは信用を築くためには必要不可欠なものだということがわかります。またレビューは商品ページに追加コンテンツを提供し、ロングテールキーワードのランク付けにも役立ちます。Shopifyが開発した無料アプリのProduct Reviewsをインストールし、SEOに配慮したレビューやレビューの点数を商品ページに追加しましょう。私は自分のサイト上のすべての商品ページでこのアプリを使っています。
▢リダイレクト設定を適宜使用する。販売していた商品を削除した時など、サイトのページがアクティブでなくなった時には、そのページのリンクを関連性のある別の既存ページへ「リダイレクト」することができます。そうすることで、無効なリンクの代わりに新しいリンク先をビジターに提供することが可能になります。Shopify上でリダイレクト設定を追加するには、弊社の簡易設定方法をご覧ください。
7. 評判の構築
▢Facebook、Twitter、Instagram、Pinterestなどのプラットフォーム上でもビジネス設定をする。ブランド構築の初期段階では、ソーシャルアカウントに個人名を登録することで、ご自分のアイデンティティーを守るだけでなく、人々があなたのことを見つけることができる場所を提供してくれます。ショップから個人的なソーシャルアカウントへリンクを貼ることも同じ効果を発揮しますが、使うチャネルは潜在顧客へリーチし、販売する予定のあるものに絞りましょう。
8. その他のランキング要素
▢携帯で自分のサイトをレビューする。Shopifyテーマストアのテーマ(テンプレート)はすべて携帯電話にも対応しています。Shopifyをお使いでない場合には、こちらのツールを使ってご自分のサイトを携帯機器上で確認することが可能です。携帯版にあるすべてのページも、デスクトップ版と同じように読みやすく設定しなければなりません。
▢ショップスピードが速いことを確認する。ショップスピードは、デスクトップと携帯検索の両方においてランキングを左右する要因となります。PageSpeed Insightsを通してサイトを稼働させると、ショップのパフォーマンスを微調整するために役立つGoogleの推奨リストを入手することができます。
▢わからないことは、Googleの公式推奨プラクティスを参考にする。いつもマーチャントの皆さんには、顧客体験が第一であるため、Googleのアドバイスのすべてが現在機能しているSEOのベストプラクティスに見合っているわけではないと説明しています。しかし一般的な経験則から言うと、Googleのガイドラインは、サイトがペナルティを受けるような疑わしいプラクティスを避けることには大いに役立ちます。わからないことがあったら、Googleの推奨プラクティスを参考にしてください。
9. 基本的なSEOカリキュラムの作成
▢検索エンジンは常に進化するため、リーディングリストで情報をいつも入手できるようにする。SEOについて学ぶことは実にたくさんあります。そして検索技術が進化するに連れ、頻繁に行われる数多くの微調整を必要とします。そのため、アップデートをGoogleから直接受け取ることができる网站管理员CentralやThink With Googleの記事を購読しましょう。
検索者が望むものを提供する
SEOの使用法が進化し続ける一方で、検索システムを利用する理由は一貫して変わりません。それは探しているものを見つけたい、もしくは一度見たことがあるものを思い出したい、ということです。
いつの時代にも役立つSEO戦略とは、単純に「検索者が探しているものを提供する」ということなのかもしれません。検索エンジン(特にGoogle)は、このことを考慮して設計されたウェブサイトにはとてもうまく機能します。上記で説明してきた内容(ウェブサイトの速い読み込みスピード、面白いコンテンツやキャッチコピー、明確なページや画像の説明)の大部分は、検索者の作業をより楽にするものばかりです。
サイトを構築していくにあたり、ユーザー体験と検索最適化のつながりを最優先に考えましょう。検索技術が改善されるに連れて、これら2つの条件が足並みを揃えてきたようです。つまり、検索エンジンを味方にするには、ユーザーのために問題解決をすることが一番効果的な方法だということなのです。
原文:Samantha Renée 翻訳:クリンカース恵子
よくある質問
SEOの基本要素は何?
- キーワード検索
- ページ最適化
- リンク
- コンテンツ
- 評判の構築
- サイトのスピード
SEOに使えるツールは?
キーワード検索の対処法は?
ウェブサイトの商品ページ、カテゴリー、ブログ投稿、ホームページなど、それぞれのページは異なったキーワードを使ってランク分けすることができます。キーワード調査を行えば、初期段階でどんなページを作成するべきかを教えてくれます。
例えば、あるページでは情報検索をターゲットにし(例:「アロマセラピーとは何?」)、他のページでは検索ボリュームは低いものの購入意図を含むキーワード(例:「アロマセラピーボトルの購入」)をターゲットに設定することができます。
SEOのページ最適化の方法は?
- ページ上でH1タグを一回だけ(必ず一回のみ)使用していることを確認する。
- ページタイトルは60文字以内とし、検索結果に表示しきらないことがないようにする。
- メタディスクリプションを155文字以下のパンチのある文章にする。
- 読みやすく魅力的なページタイトルを書く。
- URLにキーワードを1語含ませる。
- 画像にalt属性とファイルネームが付いていることを確認する。