テック系の専門家はどうやら「メールはもうだれも使わない」と言うのが好きなようです。わたしたちはあえて断言しますが、受信箱を見てみれば、そんな事実はないとわかります。
実際に多くの中小事業者は、適切なタイミングで関連性が高くパーソナライズされたメッセージを送る手段として、メールに新しい関心を寄せています。メールには、ネット上の制約的なゲートキーパーの許可も必要ありません。さらに、グローバルではメールユーザーは継続的に健全な成長を示していて、スローダウンする兆しもないのです。
今回の記事では、メールマーケティングに取り込もうとする事業者でも、すでに取り組んでいる方でも、メールキャンペーンに関する新しい情報や実際のテクニックなどを発見できるでしょう。
- メールマーケティングとは?
- eコマースの成功にメールマーケティングが重要な理由
- メールマーケティングを始めよう
- メールキャンペーンの種類について
- 効果を測るための基本指標
- ライフサイクルの自動化:次のレベルのメールマーケティング
メールマーケティングとは?
メールマーケティングは、販売、教育、ロイヤルティ構築などを目的とし、既存顧客や潜在顧客に向けてマーケティングメッセージをメールで送る方法のことです。
メールは、マーケティングにおけるオウンドチャネルです。つまり、送信者はコンテンツや配信について完全なコントロールが可能です。また、パーソナルで関連度の高いメッセージをセグメントごとの受信者に向けて送信したいときに、通常もっとも効力を発揮します。メールはとくにEコマースに関しては重要なツールであり、取引メール、プロモーションメール、ライフサイクルメッセージなどが送信されます(詳細はあとで解説します)。
オンラインショップの成功にメールマーケティングが重要な理由
ウェブトラフィックの現実は、それがたとえ高度にターゲットを絞ったものであっても、ほとんどの新規訪問者は二度と戻ってこない、というものです。彼らを戻ってこさせる努力をあなたがしないかぎりは。
メールリストの構築と説得力のあるメッセージの送信により、購読者に関係を継続してもらうインセンティブを与えることで、あなたが努力して得たトラフィックを維持することができます。
あなたのeコマースビジネスがメールマーケティングを導入するための時間をかけられないなら、それはテーブルの上にお金を置きっ放しにするのと同じことです。それを証明するために、ここではメールをマーケティング戦略に導入すべき5つの理由をご紹介します。
1メールを通じてお客さまと継続的な関係を築くことができる
検索エンジンやSNSは、未来のお客さまにあなたを見つけてもらうにはすばらしいプラットフォームです。しかしメールは、既存顧客との関係を継続して維持し、強化していくには最良の方法です。
メールは、お客さまとの関係を継続して強化していくのに最適なチャネルです
Nielsenの調査によると、66%のオンライン消費者は、新しい商品をなじみのあるブランドから購入することを好みます。あなたが日常的にオンラインショッピングをしているなら、これは驚くことではないでしょう。オンライン消費者は、関係を築いて親しみを持っているブランドやウェブサイトで買い物をする傾向が強いのです。
メールは、2回目以降の購入を促進するうえで中心的な役割を果たします。お客さまに戻ってきてもらうことは、多くのビジネスにとって重要です。なぜなら、顧客獲得費用を下げることができるからです。
2販売促進という点で、メールはとても効率的
DMAによる2018年の調査では、メールマーケティングに費やされる1ドルあたり、平均して32ドルのリターンを企業が得られることがわかりました。
もちろん、ある種のビジネス(と商品)はメールマーケティングと相性がとくに良くても、リターンが保証されるということではありません。しかし長年にわたり、同様の調査では似た状況が描かれています。メールは、ほかの手段を頻繁に上回る、高性能チャネルなのです。
Shopifyのデータは、ブラックフライデー・サイバーマンデーのセール時に、メールがもっとも注文コンバージョン率の高いチャネルだったことを示しています。
さらに、Emarsysの2018年のレポートでは、約80%の企業がメールを顧客獲得と顧客維持の主要チャネルとして使用していることが示されました。メールマーケティングは、最初の売上をもたらし、価値の高い顧客から収益を上げる能力という点では、比較的ユニークなのです。
3メールは3つの成長に必要な要素に影響をもたらす
マーケッターのJay Abrahamは、収益を増やす方法は3つに集約されるという考えを最初に広めた1人です。顧客(C)の数を増やす、顧客1人あたりの購入回数を増やす=購入頻度(F)を増やす、平均注文額(AOV)を増やす、の3つです。
顧客獲得を追求する起業家は多いですが、結局は落胆し、獲得費用がすぐ高額になりがちということに気づきます。メールマーケティングは、3つの成長乗数に同時に影響を与えられるため、顧客獲得レースから抜け出す現実的な手段を提供します。
- 自動化されたウェルカムメールおよびカゴ落ち通知メールで、コンバージョン率を上げる(C)
- バウンスバックまたはウィンバックキャンペーンにより、購入回数を上げる(F)
- ライフサイクルキャンペーンやプロモーションを通じて、価値の高い商品を正しい顧客に向けて提示する(AOV)
Drew Sanockiによれば、この3つのエリアへの体系的なフォーカスは、結果をより複雑化します。このことは、eコマースビジネスの成長と拡大にあたって、彼がいつもメールマーケティング戦略を慎重に開発する最大の理由となっています。
4第三者のプラットフォームに影響されない
メールマーケティングの重要性が増し続けている理由として、中央集権的なプラットフォームに左右されないという側面が挙げられます。プラットフォームにおける急なアルゴリズムの修正は、配信戦略を完全に狂わせてしまいます。
対照的に、フェイスブックページのオーガニックリーチは2013年から減少しています。これはプラットフォームが引き続きニュースフィードを友人や家族からのコンテンツにフォーカスさせているためです。同様に、Googleでの検索ランキングの上昇はかなり厳しくなってきています。広告と回答ボックスにより、とくにモバイルでは、クリックしない検索が顕著に増えているのです。これらのプラットフォームで顧客にリーチしたいなら、今まで以上に支払いをする必要があり、そのコストは上がっています。
メールマーケティングを始めよう
最高のメールマーケティング戦略であっても、まずはメールマーケティングサービスを選び、購読者を増やす戦略を立て、合法的にメールを送る方法を理解するところから始まります。
メールプロバイダーを選択する
メールマーケティングの最初のステップは、リストを作るマーケティングソフトウェアの選択です。費用対効果の高いしっかりしたメールマーケティングツールがいろいろありますので、完璧なものを見つけようと夢中になりすぎないでください。この先いつでもプロバイダーは変更できます。レビューが多くあるソリューションであなたのニーズに合ったもの(価格、ドラッグ&ドロップエディター、メールテンプレートなど)を選びましょう。そして、メールを開始し、売上を促進してください。
新規事業者が使って成功しているマーケティングツールで、Shopfyとアプリで統合できるものとしては、Klaviyo、Conversio、Jilt、Omnisendなどがあります。日本語対応している選択肢としてはBenchmark(アプリ非対応)があり、ほかのポピュラーなソリューションは、Constant Contact、GetResponseなどです。(Shopifyアプリストアでおすすめのリストを見ることができます)
メーリングリストの作成を開始する
オンラインビジネスのオーナーに、マーケティング上の最大の後悔が何か聞いてみてください。多くの人が、初日からメールアドレスを収集していなかったこと、と答えるでしょう。こうしたありがちなミスから学び、できるだけ早く購読者リストを育てましょう。ビジネスを立ち上げる前からでも構いません。
メールリスト構築を始める前に知っておくべき重要な点は、継続的に見込み客や顧客からフォローの許可を得なければならないということです。そのためには、購読者はオプトインをする必要があり、それを促す方法がいくつかあります。
1立ち上げ前にランディングページを準備する
実際の商品の妥当性を確かめるには対価を支払ってくれる顧客が必要ですが、潜在顧客のメールリストを作成することはちょっと違います。
オフィシャルにスタートする前に、ランディングページをドメイン上に作成してビジターをメールリストに招待し、最新情報を届けるためにメールアドレスを入力してもらいます。登録をお願いをするのではなく、これから出る商品の魅力をコピーで伝え、早期購読者用のインセンティブを用意するなどします(例:ローンチ日に特典として20%オフを提供など)。
2販売履歴や顧客アカウントからメールアドレスを取得する
顧客アカウントは企業にとって価値があります。メールアドレスを含む関連情報が登録され、購入履歴も追跡できるからです。ただし一度の購入のためにアカウントを作成することに拒否を示す消費者も多く、そこはマイナス点です。
有益な妥協点は、最初の購入が完了した時点でアカウント登録のオプションを提示することでしょう。Shopifyを使っているなら、アカウント登録はオプションとなります。また、購入が完了したあとに、アカウントを有効化するようダイレクトに招待メッセージを送ることもできます。
3サイト全体にわたってオプトインのフォームを設置する
リストを拡大するには、人々に直接登録のお願いをする必要があります。そこで、彼らが一番熱心に見ていて関連性が高いと思われるページでお願いするのが最善策といえます。しかし、ウェブデザインに妥協して悪い第一印象を与えないよう注意しましょう。手始めに、下記の場所に登録フォームを配置してみましょう。
- ヘッダー、ナビ、フッター:こうした場所は特定のランディングページと比べれば全体のコンバージョン率が低い可能性がありますが、たとえば初回購入特典としての割引などをオファーする場合はとくに、時間の経過とともに登録者を増やすことができます。
- 会社概要ページ:マーケッターのBob Fradyが書いているように、「人はメールに登録するのではなく、あなたのブランドに登録するのです」。メールはただのメカニズムに過ぎません。あなたのブランド、そしてあなたからのオファーが、購読者をメールに引き込むインセンティブであり、あなたの価値のバックボーンです。会社概要ページであなたのビジョンを売り込むことに成功しているなら、登録を促す絶好の場所といえます。
- ブログ、リソースページ:コンテンツマーケティングを駆使して教育やSEOに役立てているなら、あなたは情報を探している見込み客をすでに引きつけています。ターゲットを絞ったオプトインフォームを、ブログのサイドバーやインラインに含めることは、彼らがファネルの下層に進むことに貢献します。
- ポップアップフォーム:ビジターがサイトを離れようとするときに、ポップアップで引きつけましょう。こうすれば、彼らのウェブ体験を邪魔することにはなりません。イグジットインテントのポップアップ(Exit-intent pop-ups)は、ユーザーが検索バーや戻るボタンなどサイト外に向けてマウスを移動したときに表示され、メールアドレスを収集するセカンドチャンスをもたらします。こうしたポップアップを作成するには、ShopifyアプリストアでPrivy、Sumo、JustUnoなどのアプリが使えます。
4魅力的なオファーでメール登録を促す
オンラインビジネスをしている人はしばしば、ニュースレターを受け取れるということが、購読登録をするのに十分な理由になると考えます。マーケティングとは、メッセージと測定です。「わたしたちからのウィークリーメールを受け取りましょう」では、説得力のあるメッセージとはいえません。
質を高めるために、メール登録への追加インセンティブとしてリアルなオファーを検討しましょう。いくつか実証済みのアプローチがあります。
- 特別セールや割引の提供:割引には注意が必要です。顧客が割引セールを待つことを覚えてしまうと、あなたの利益が損なわれます。割引が財務的に意義を持つのは、見込み客がどのみち失われてしまうという局面においてです。その場合に、割引オファーがメールアドレスを残す強力なきっかけになるということです。
- 懸賞やコンテストの実施:コンテストには、登録を大幅に増やす力がありますが、無料のものを探している人たちを引きつけてしまうという欠点もあります。面倒な状況を突破するため、あるいは初期のジャンプスタートのために景品を使うのはいいですが、長期的に残る熱心なオーディエンスを獲得するためには頼れないと考えてください。Shopifyアプリストアにはコンテスト用のアプリがあります。
- 教育コンテンツへのアクセス:ある種の消費財は、消費者とさらなる文脈を共有することで利益を生むことができます。Kathy Sierraが著書で述べているように、「カメラに熟達したい」という人はいなくて、「きれいな写真を撮れるようになりたい」のです。あなたのターゲット層にとって有益なコンテンツを一部無料で提供することを検討しましょう。コンバージョンに結びつく魅力的なオファーとは、ビジターがすぐに申し込みたくなり、あなたの商品が埋めることのできるギャップを強調するようなものです。
Kettle & Fireは、ボーンブロス(骨のブイヨン)を試す理由とサンプルレシピを掲載した無料のeブックを提供することで、ブログ読者にメール登録を促しています。
5直接個人にメール登録を依頼する
とくにオフラインで可能なオプションで、拡張性は低いメール収集の中にも、隠れた価値があります。あなたが商品をポップアップショップで販売したり、友人から1回限りの注文を受けたり、すでに実店舗を持っているような場合には、お客さまから直接メールアドレスを収集するたくさんの機会に出会うでしょう。
同じ発想を物理的なCTAに当てはめることができます。出荷パッケージの中に、割引などのオファーを含めた印刷物やカードを入れ、お客さまがまたストアに戻ってくるようにします。ブラウザにリンクを入れることでアクセスできる専用ページを準備しておきましょう。
合法性に配慮してメールを送る
メールプロモーションは、「許可マーケティング」(Seth Godinによる造語)の一例です。つまり、人々はあなたのブランドとの関係を好きにオプトイン/オプトアウトできるのです。メールリストによって構築される関係性は、許可に基づいている必要があります。これはマーケティング的な観点だけではなく、法的な観点からも要求されます。
法を無視すると、重大な罰金を科せられることになります。まずは、下記の規則や規制に精通しましょう。
**こちらは北米の例です**
・CAN-SPAM:商用メールに関するルールを制定しています。
・GDPR:欧州連合の個人情報保護を目的としています。
・CASL:グローバル市場での企業の競争を保証しながら、カナダ人を保護するための法です。
免責事項:このガイドで共有される資料は、情報提供のみを目的としています。法的な助言ではありません。メール送信について法的な疑問がある場合は、専門の弁護士に相談してください。
メールキャンペーンの種類について
関連性の低いメッセージや歓迎されないメッセージを、間違った相手に、悪いタイミングで送ることは、メールという価値あるマーケティングチャネルを無駄遣いする確実な方法です。今から、さまざまなタイプのキャンペーンと、顧客を引きつける方法について話していきたいと思います。
Eコマースのマーケティングメールには、基本となる3つのカテゴリーがあります。取引メール、プロモーションメール、ライフサイクルメールです。
- 取引メールは、チェックアウトやそのほかの購入プロセスにおいて送信されるメッセージで、個々の顧客に重要な情報を送るという機能を持っています。注文確認、領収書、発送完了などのメールがこのカテゴリーに含まれます。
- プロモーションメールは、特定の取引やプロモーションについて注意喚起をすることが目的のメールです。たとえば、ブラックフライデー・サイバーマンデー、母の日ギフトガイド、夏休みセール、期間限定割引などのメールがこのカテゴリーに含まれます。
- ライフサイクルメールは、トリガーメールとも呼ばれ、その名称のとおりカスタマーライフサイクルにおけるポジションや消費者が取った行動に基づいて送られるメールです。たとえば、カゴ落ちメールは、顧客が商品をカートに残した後にのみ送られます。
1取引メール
2016年のIBMの調査によると、取引メールの開封率は47.1%で、非取引メールの21.6%のほぼ2倍です。エンゲージメントの差はさらに大きく、クリックスルー率は非取引メールの3.3%に比べて取引メールの場合は8.8%です。
この大きな差はなぜ生じるのでしょうか?取引メールは予期されているだけでなく、待たれているものです。消費者はそれを見つけ出します。エンゲージメントが高いのですから、取引メールを優れたものにする労力を惜しんではいけません。それでは、あなたのストアが送るべき基本の取引メールから始めましょう。
注文確認メールと領収書
注文確認メールや領収書の開封率は、業界にもよりますが、だいたい70%〜90%と高いです。注目が保証されているこの機会を活かし、最初の購入の後も顧客をつなぎとめるようにしましょう。
とはいえ、まずは顧客が抱く基本的な質問に領収書メールで答える必要があります。商品はいつ届くのか、どの宛先に向けて発送されるのか、質問がある場合はどこに問い合わせたらいいのか。基本が整ってこそ、プラスαの試みに向かうことができるのです。
リピーターに対しては、関連商品や前回の購入品のアドオンやアクセサリーをおすすめしてみましょう。Dollar Shave Clubは、マンスリーメール購読者に対して商品出荷前に注文確認メールを送り、ボックスへのアイテムの追加を促しています。
注文確認メールを改善する方法
- 関連商品をアップセル:付属品のおすすめや、同じ商品を友人へのギフトとして送るオプションの提案、定期購入のオプション設定などを通じて、アップセルをおこないます。
- 割引コードや無料配送を提案:期間限定で次回購入の際に使えるオファーをします。これはバウンスバックオファーと呼ばれ、割引することで被る収益ロスを合理化する方法の1つです。そもそも、完全に顧客を失うくらいなら、割引価格で戻ってきてもらうほうがいいからです。
- コミュニティへの参加を依頼:あなたが売っている商品が純粋に機能性だけの製品の場合は、うまくいかないかもしれません。しかし顧客と共有する価値を求めている企業は、コミュニティ参加を促す手段として領収書メールを活用すべきです。
発送確認メール
発送確認メールは、商品が発送された後に送られますが、とても価値があるメールです。お客さまはすでに、注文商品を受け取れることに興奮していて、ここでクリエイティブにもっと喜ばせることができれば、この機会を最大に活かせます。
もっとコンバージョンを増やすという点でも、天井を広げて考えることができます。発送確認メールを使ってアクションを促し、ブランドと顧客との関係を強化するにはどうしたらいいでしょうか?
Tradesyは、紹介プログラムを宣伝するために発送確認メールを活用していて、家族や友人に20ドルオフの特典をプレゼントするよう呼びかけています。
注文内容に合わせてCTAがパーソナライズされている場合に、発送確認メールはとくに効果的になります。たとえば、顧客がメンズパンツを購入した場合、おすすめ商品としてシャツやタイを挙げるべきで、スーツのセットアップやレディース商品など関連性の低いものは避けます。
発送確認メールを改善する方法
- 注文の追跡が簡単にできるようにします。到着予定日や追跡番号などがメールに含まれていれば、お客さまはクリックするだけで配送の状況がわかります。
- 友だちへの紹介をおすすめします。買った商品のリンクを転送できるようにし、報酬付きの紹介プログラムを実施するなどして、クチコミマーケティングのインセンティブを付与します。
- 購入商品に関連するおすすめ商品の提案をします。本当に関心のある商品だけが購入者に提案されるように気を配りましょう。
フィードバックメール
多くの企業は、危険を承知で顧客からのフィードバックを無視しています。幸いなことに、フィードバックをお願いすることは、購入体験についての簡単な質問やアンケートを送るのと同じくらいシンプルです。
こうしたお願いのメールは、お客さまが買った商品が届き、実際に使い始めた頃を見計らって送るべきです。Death Wish Coffeeのアンケートメールの例がこちらです。
Death Wish Coffeeはサードパーティのアンケートツールを使っていますが、多くの企業はメールの中にアンケートを含めるかもしれません。大概は、レーティングシステム(例:「あなたの体験を評価してください」)を導入するでしょう。ストア上でできるアンケートを送る手もあります。この場合、満足している顧客はレビュー完了後にすぐ別の買い物がしやすくなります。
前回の購入にあまり満足できなかった人たちはどうなるのでしょう? ここではフォローアップが不可欠です。最初に回答を引き出し、次に今後のカスタマーエクスペリエンスをどう改善できるか考えます。
- セールスではなく、顧客体験にフォーカスする。こうすることで購入時のお客さまの考えがわかるようになります。継続的に指標を追跡し,ビジネスを引き続き改良していくための実行可能なインサイトを探します。
- ウェブサイトにレビュー/調査フォームの設置を検討する。これにより、フィードバックを残した後にユーザーは関連商品やオファーを見ることができます。
- 商品ページにレビューを含める。ユーザー作成コンテンツは、未来の購入者の信頼を増幅させます。
2プロモーションメール
このメールは、購読者リストの全体または、より一般的にはリスト内のセグメントに向けて送信されるメールです。新商品リリース、マンスリーニュースレター、期間限定セール、季節セール、コンテンツアップデートなどの情報がここには含まれます。
これらのメールは、何かお知らせする価値があるものを持っている場合に送るメッセージと考えていいでしょう。根底にある目的、オファーの内容、購読者のセグメントについて慎重に考慮する必要があります。
新商品(新サービス)
新商品は顧客からのフィードバックのおかげで開発されることもよくありますので、お披露目にあたってまず購読者にお知らせするのが最良の出発点といえます。最新リリースが特定の顧客にアピールする場合、たとえば前回の購入に基づいてリストをセグメントすることができます。
期間限定セール
顧客の興味に関連のある期間限定セールのプロモーションを作成しましょう。彼らが先週買ったものと同じカテゴリーの商品の割引を提供します。セール自体に説得力があるなら、過度にキャッチコピーをつけると、かえって邪魔になることを覚えておきましょう。
メール購読者限定の割引
通常のニュースレターであれ、特別プロモーションに関するドリップキャンペーンであれ、購入に向けた購読者のモチベーションを高めるためには、いつでも割引コードを含めることができます。独占的でメンバーオンリーの感覚を提供することは、マーケティングにエモーションをもたらす優れた方法です。
季節ごとのプロモーション
従来的で効果的なメールマーケティングの手法は、ホリデーシーズンなど季節に基づいた特別なお知らせを購読者に届けるやり方です。ブラックフライデーセールやアフタークリスマスセール、春のクリアランスセールなどは購読者にお知らせしたいはずです。父の日などが近づいてきたら、リマインドすることもできます。
ニュースレター
定期的なニュースレターは、顧客の教育やブランドストーリーの伝達といった重要なタスクに役立ちます。顧客のケーススタディやブランドストーリーは、割引やプロモーションに頼らずに顧客(見込み客を含む)と親密な関係を築き、コンタクトを取るための手段としては過小評価されています。
下記の例で、Uncommon Goodsは、世界にポジティブなインパクトをもたらすというブランドミッションについて、とくに会社が倫理的なブランドや職人をいかにサポートするかという点について、多くの情報を共有しています。これは、同じような価値観を持つ顧客に語りかけ、スタンスを確立するためのスマートなやり方です。
みんな魅力的なストーリが好きなので、スタッフ、顧客、あるいは自身のビジネスや生活から注目すべきストーリーを発見できたら、ニュースレターのトピックとして使うことを考えましょう。あなたのフィットネス商品を使って体重を落とした顧客の話や、あなたがビジネスを始めたきっかけを共有してもいいのです。何についてのストーリであれ、顧客が興味を持ち、ブランドと関連があることが大切です。
コンテンツの更新
多くの場合、メールは新しいコンテンツにとって生命線となります。既存顧客の教育や新しい見込み客へのリーチのためにコンテンツマーケティングをしているなら、そのコンテンツをニュースレターに入れることを検討しましょう。またはRSSなどで、新しいコンテンツを自動的にメール配信しても良いでしょう。投資をすることができるなら、新商品についてプラスの文脈を生み出すコンテンツを作成してもいいと思います(例:美容製品のお手入れのヒントなど)。
3ライフサイクルメール
ライフサイクルメールは強力です。パーソナルで購読者の小さいセグメントにターゲティングされていて、彼らの行動に合わせたメッセージのため関連性が高いからです。
新規のストアオーナーであっても考えるべき効果的なライフサイクル(トリガー)メールがいくつかあります。カゴ落ちメール、ウェルカムメール、二次購入メール、ウィンバックキャンペーンメールです。これらのメールは顧客満足と顧客維持に大きな影響を与える可能性を秘めています。
カゴ落ちメール
平均的なカゴ落ち率は60%〜80%です。手に入れていない収益がたくさんあるということです。幸い、こうした潜在的な顧客をある程度は取り戻すことができます。カゴ落ちメールによって、失われていたかもしれない売上の5〜11%のリカバリーが通常は可能です。幸い、Shopifyには通常機能としてカゴ落ちメールがありますので、ぜひ活用してみてください!
購入を完了してもらうために、追加のインセンティブを含めることを考えるかもしれませんが、これにより、消費者は割引を得るためにカートを放棄するようにもなります。少なくとも、クレジットカードを準備したうえでストアに戻ってきてもらえるようなコピーライティングをしましょう。
プレーンなテキストは効果的ですが、消費者がカートに入れた商品をビジュアル的に表示することも可能です。どちらのケースでも、購入の完了まであと一歩であることを思い出させ、そもそも顧客が最初にその商品を購入しようと思った理由にフォーカスを当てるようにします。
Würkin Stiffsは、チェックアウトを完了してもらうために20%の割引クーポンをカゴ落ちメールに記載しています。
カゴ落ちメールを改良する方法
- メインメッセージはテキストで。そうすれば、画像を表示させる必要なく、顧客はすぐにメッセージを認識できます。簡単に注文を完了できるように、ショッピングカートへのリンクを入れましょう。
- カートに入れたアイテムをリマインドする。購入されるのを待っている商品を改めて教えることで、再度熱くなってもらいましょう。
- カートに戻ってもらうためのインセンティブを含んだコミュニケーション。送料無料や割引などです。アイテムが在庫切れになりそうなら、緊急性を持たせながら、礼儀正しくそのことを顧客に伝えましょう。
- 明確で説得力のあるCTAを使う。簡潔にまとめ、1回だけの使用に制限します。複数のCTAは、顧客に本当に取ってほしい行動(購入の完了)を導くにあたり邪魔になります。
ウェルカムメール
ウェルカムメールは、オンラインストアにメールアドレスを登録したときに送られてくるメールです。アカウントを作った後やメルマガに加入した後に、受信ボックスに入っているのをよく見るでしょう。
Omnisendのデータによると、ウェルカムメールの開封率は45%です。データはさまざまですが、最初の購入メールの自動化により、通常のプロモーションメールの3〜6倍の売上を生み出します。さらに、シリーズのウェルカムメールは一回だけ送信する場合より効果が高いこともあります。ただし、シリーズ初回のメール送信後はエンゲージメントが落ちやすいです。
ウェルカムメールを改良する方法
- 率直に価値を伝える。強い第一印象を与えられる唯一の機会に、大量のプロモーションメールを送って顧客を困らせる必要はありません。
- ウェルカムメールはすぐに送る。次回購入時に使える10%オフのコードをつけて、ニュースレターの購読を促したとします。相手は購入の準備ができているのにコードがすぐに送られてこなかったら、売上の機会は永久に失われる可能性があります。
- 透明性への期待値をセットする。購読者が設定をすぐに変えられるようにし、どんな内容のメールがどれくらいの頻度で送られてくるのかを説明し、そもそもなぜリストに載っているのかを思い出させるようにします。
二次購入メール
あなたがビデオゲームを販売しているとしましょう。しばらくして、次のことに気づきます。平均すると、ゲーム機を購入した1週間後に20%の顧客が2つめのコントローラーを購入し、ほかの50%の顧客はまったく戻ってきません。
あなたはこの20%を70%にするために、新規顧客または二次購入のメールキャンペーンをデザインします。ゲーム機の注文が入ったら、コントローラーを紹介するメールを1週間後に配信します。
これには、顧客の調査とGoogleアナリティクスによるデータのセグメンテーションが必要となります。ゲーム機を買うときにコントローラーも購入する人もいますが、そうではない人たちも多数います。レバレッジを利かせられるのは、どちらのセグメントでしょうか?
二次購入メールを改良する方法
- トップセールスの商品2〜3個から始める。売上トップの商品の補完品になりそうな商品はないでしょうか?
- 段階的な割引で効果を高める。上記のシナリオでは、できることは補完商品の紹介だけでした。同時に、補完商品への割引オファーを試してみてもいいでしょう。段階的な割引という方法もあります。5%で関心を引けなければ10%、まだダメなら15%、というような方法です。
- 独自データに基づいてキャンペーンをテストする。あなたのトップセールス商品が何なのか、補完関係にある商品はどれとどれなのか、いつワンツーパンチキャンペーンをしたらいいのか、だれもあなたに教えることはできません。これらのキャンペーンはすべての人ごとに異なります。
ウィンバックキャンペーンメール
ウィンバックメールはさまざまな形式や規模になることがありますが、それらはすべて、熱意をなくしている顧客をポジティブな購入行動に呼び戻すためにデザインされます。
少し調査したところ、あなたのお客さまは初回購入から45日で二度目の購入をおこなう傾向があるとわかりました。もし45日が過ぎても二度目の購入がない場合、そのお客さまが二度目の購入のために今後戻ってくること可能性は低いとあなたは考えます。
または、過去6ヶ月の間に、だいたい45日ごとに購入行動を取るアクティブなお客さまがいたとしましょう。彼は最近、行方不明状態です。44日間、購入履歴がありません。こういうときに、ウィンバックキャンペーンが功を奏します。アクティビティがなくなってから45日後に、メールが自動送信されることになっています。なぜなら、あなたのストアの特性上、45日経ってもアクティビティが見られないということは、普通でも健全でもない状態だとあなたは理解しているからです。
ウィンバックメールを改良する方法
- 無駄金を使わないように早めにテストする。メールを小分けにテストして、コンバージョンを失うことなくオファーできる最少額がいくらかを見極めましょう。10%ではなく5%でもいけるのか? 15%の代わりに10%?
- 90日アクティビティがない場合、見通しは良くないです。3ヶ月購入がない場合に、彼らが戻ってくる可能性は低いです。とはいえ、間違いなくこれは業界やあなたのストアに依存します。ストアによっては購入サイクルが単に長いこともあります。90日を境に利益の減少があるかもしれないことに注意しておきましょう。
効果を測るための基本指標
1リストの規模と成長
Shopifyアカデミーコースの中で、「メールリストの拡大は、ビジネスの拡大につながる」とSanockiは言っています。顧客からメールを収集しているにしろ、サイトビジターから得ているにしろ、メールリストが大きくなればなるほど、売上拡大のためにリーチできる潜在顧客が増え、今後の収益の最大の糧となります。
この単純にして重要な指標をつねに確認してください。メールサービスプロバイダーを使い、週ベースや月ベースで、または最近拡散したメールの間に、どれだけ新規購読者が増えたかをチェックしましょう。
2開封率とクリックスルー率
開封率は、購読者に届いたメールのうち何パーセントが実際に開封されたかを示す数字です。標準の開封率は、20%〜30%です。最初の頃は、開封率が高いことに気づくと思います。タイトルは開封率に大きな影響を与え、魅力的な件名であるほど、開封率は高くなります。
クリックスルー率は、正常に届いたキャンペーンメールのうち少なくとも1回はクリックされた割合を示します。標準的なクリックスルー率は、あなたのストアのコンバージョン率の2〜3倍、だいたい5%前後でしょう。なぜそうなのか? あなたのメール購読者は絞り込まれたターゲットで、あなたのコンテンツを見るためにオプトインした人々だからです。メールの中のCTAや画像が、クリックスルー率に対して大きな役割を果たします。
開封率とクリックスルー率は別個の行動に基づく指標ですが、両方を通してあなたのメールのエンゲージメント力を測ることができます。数字が偏っている場合、たとえば多くの人が開封しているのにCTAのクリックは少ないような場合は、どんな改善が必要か明白です。
3到達可能性とリストの正常性
IBM Marketing Cloudによると、世界の平均的なハードバウンス率は0.47%です。ハードバウンスとは、送り先のアドレスが無効でメールが送り主に戻ってきてしまうことです。メールが意図した相手に届いたとしても、相手はメールをスパムとして報告することもできます。もしあなたがスパムメール送信者として継続してマークされてしまうと、ほかの購読者への到達可能性も損なわれることになります。
スパムフィルターは直接的なものです。メールをスコアリングする要素の長いリストがあり、このスコアが高くなりすぎるとメールサーバーからスパムとしてフラグが立てられます。残念ながらすべてのサーバーは異なり、変化し続けています。そのため、あるサーバーでスパムとマークされても、ほかのサーバーではマークされないこともあります。一般論として、下記のことは避けてください。
- 「!」「無料」などの多用によって「売り込み」っぽいメールになること。
- 大きな画像と少ないテキスト。多くのスパムフィルターは画像を認識しないので。
- 何年もメンテしていないメールリストで送信すること。
人間によるフィルタリングはもっと複雑です。スパムや迷惑メールと思われてしまう原因が何かを正確に説明できる人はいませんが、いくつかの一般的なルールはあります。次のことは避けるべきでしょう。明示的な許可なしにメールを送ったりリストを購入したりすること。いつメールが送られるかを曖昧にすること。購読解除のオプションを隠したり、見つけにくくすること。アクティブではない読者や顧客をリストに残しておくこと(とはいえ、彼らに向けた再アクティベートキャンペーンをすることはできますし、するべきですが)。
多くのメールサービスプロバイダー、とくに到達可能性を真剣に捉えているプロバイダーは、0.1%の苦情率を合理的な閾値と考えています。つまり、1,000通送るメールのうち、スパムとしてマークするのは1人だけということです。
4 A/Bテストの結果
A/Bテストの実施は、受信者を3つのグループに分けることを意味します。Aグループ、Bグループ、Cグループです。2つのバリエーションのメールをAとBのグループに送り、分析を通じて、どちらのバージョンのほうがエンゲージメントや売上の向上に貢献するかを把握します。そして勝者のバージョンのメールを、残りのCグループに送ります。
A/Bテストをすることにより、あなたは自信を持ってハイパフォーマンスなメールを送れるようになります。特定のメッセージとデザインを小さいセグメントの購読者で事前にテストできているからです。
5収益
収益とは、当然のことながら、お店に入ってくるお金を指します。ストアの総売上のうち何パーセントが、メールマーケティングに起因するでしょうか? 例として、成功した多くのストアが総売上の20%をメールのチャネルから得ているとSanockiは話しています。
グリーンライト(青信号)ベンチマークの価値
あなたが時間とお金を投じたマーケティングの成果をそれぞれのチャネルにおいて追跡することは必須ですが、指標にこだわりすぎると、方向を見誤ることにもなりがちです。
その代わりに、Ramit Sethiによって作成されたコンセプト「グリーンライトベンチマーク」を目指してください。一定の閾値に達したら、あなたは自分に「青信号」を点灯させて、もう少し別の何かを追求できます(ビジネスの成長過程では、より大きな魚がつねにいるものです)。Sanockiは、だいたいの販促メールやライフサイクルメールにおいて参照すべきベンチマークとして、以下のものを推奨しています。
- 20%の開封率:正しい相手に向けて、関連性があり、興味を引く件名のメールが送られていることを示します。
- 5%のクリックスルー率:メールの中のコンテンツやオファーが、クリックしたくなる程度に魅力的ということです。
- 総売上の20%がメールマーケティング経由:販促チャネルとしてのメールが、初回購入者やアップセルのコンバージョンに結びついているので、追加の投資をしても安心できます。
ライフサイクルの自動化:次のレベルのメールマーケティング
マーケティングメッセージは、関連性によってその潜在能力を発揮します。つまり、既存顧客の行動や、カスタマージャーニーにおけるポジションに合わせて、メールを送ることが理想的です。ライフサイクルマーケティングの自動化には長いガイドが必要になるので、ここでは簡単な紹介をしておきたいと思います。
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ライフサイクルマーケティングを語るうえで、まずRFMからスタートしなければなりません。RFMは基本的にデータベースマーケティング用語で、あなたの顧客を定義するのに役立ちます。RFMは、Recency(最新購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary value(購入金額)を表しています。
- 最新購入日(R)は、購読者または顧客の最終購入日からの日数を表します。R0は今日購入があったことを表し、R365は1年前の購入を表しています。
- 購入頻度(F)は、購読者または顧客が購入をした合計回数です。F0はまだ購入がなく、F0は10回購入していることを表します。
- 購入金額(M)は、顧客の総支出額、つまりこれまでのすべての注文の合計額です。
この3つの指標を使うと、カスタマーライフサイクルのほぼすべてのステージを特定し、説明することが可能となります。
たとえば、R0 F0は何を意味するでしょうか? これは、まだ何も購入していなくてメールリストに加入したばかりの人を指します。R7 F10 M1000はどうでしょう吗?これはおそらくロイヤルカスタマーです。10回の注文履歴があり、合計購入金額は1,000ドル、最近では1週間前に購入しています。では、R400 F10 M1000は? 残念ながら、以前のロイヤルカスタマーでしょう。不満のある顧客で、ライフサイクルからかなり遠ざかってしまっています。彼女はストアから離れ、1年以上購入していません。
RFMは、メールソフトウェアで設定可能な指標を定義できるため便利です。ロイヤルカスタマーにリーチしたいなら、まず彼らを定義する必要があり、RFMはそのときに役立ちます。
顧客の既存行動に基づいて作成できるセグメントの数は、ほぼ無限ですが、カスタマーライフサイクルを描き出す際に、最初に重要になる5つの基本セグメントがあります。
セグメント1:新規購読者
新規購読者に関するゴールは、信頼を築き、商品を紹介し、最終的には買ってもらうことにあります。つまり、F0(未購入)からF1(最初の購入)に至るための関係性を構築することです。
セグメント2:ワンタイム購入者
もう一度彼らに購入してもらいましょう! これは当たり前のように思えますが、あなたのメールマーケティング戦略に重大な影響をもたらします。顧客獲得コストは高いので、最初の購入(F1)だけで多くの小売業者は損益分岐点に達し、リピート購入がないと利益が得られません。あなたの顧客リストを見てみると、おそらく80%〜90%がF1でしょう。となると、80%〜90%がたった一度購入しただけのわずかに利益が出るくらいの顧客ということです。
そこで、F1をF2に変えることが重要です。ここを改善すると、お金になります。バウンスバックメールは理想的なキャンペーンで、購入された商品に関連のある商品をオファーします。枕を買ったお客さまがいたら、次はベッドシーツをオファーするのが最適です。
セグメント3:VIP
あなたの「金の卵」は、大量購入や継続購入をしてくれるお客さまです。彼らには多大な価値があり、さらに良いことに、カムバックのための割引をほとんど必要としません。こうした顧客層を引きつけるには、ターゲットを絞ったメールキャンペーンによって魅了し、購入を続けてもらうようにします。あなたが彼らとの取引を大切に思っていることを伝え、必要であればフリーダイヤルサービスを提供し、特別なロイヤルティプログラムをオファーしましょう。そして、彼らが購入したいものについてのフィードバックをもらうことを忘れないように。そうすれば、後でそれも販売できます。
セグメント4:不満のある顧客
この人たちは、以前は熱心な顧客だったものの、ある時点から理由があって購入をやめてしまいました。顧客が離れてしまった場合、もう二度と購入されない可能性があるため、割引のオファーによって彼らを取り戻すことは財務的に意味があります。こうしたセグメント向けのメールは、ウィンバックと呼ばれるもので、彼らをもう一度振り向かせるのに十分な目を引くオファーや大幅な割引を含みます。
セグメント5:カゴ落ち
このガイドの前半で、カゴ落ちに向けたキャンペーンがどれだけ価値があるかを説明しました。準備が整ったら、2週間にわたる連続メールのテストができます。最初は丁寧なリマインダーを送り、その効果がなければ、割引などのインセンティブに移りましょう。割引が必要になる前に、放棄された多くのカートが戻ってくることに気づくと思います。
全体で5つのシンプルなセグメントですが、基本戦略としてカスタマーライフサイクルの最初から最後までをカバーしています。RFMを使って、メールマーケティングツールでグループを定義し、それぞれの価値あるセグメントに向けて自動化できるキャンペーンを構築していきましょう。
「送信」して売上を増やそう
メールマーケティングのいいところは、何か新しいことを始めたいときに、低いリスクで飛び込めるチャネルだという点です。基本のメールリストを作成して、最初にカート放棄のキャンペーンを始めましょう。そして、全体的な戦略が整うまで少しずつ改良を繰り返します。スタートするのに今ほどいいタイミングはありません!
原文:Mark Macdonald イラスト:Axel Kinnear 翻訳:深津望