新型コロナウイルス感染症による影響で在宅勤務を実施されている事業者の方も多いかもしれません。一見して家で仕事ができるというのは、魅力的なことのように思えます。特に首都圏で通勤している方は、満員電車のストレスから解放されます。さらにいつもより遅い時間に起きたり、1日中パジャマで過ごしても良いからです。
しかし在宅勤務・在宅ワークやテレワークのメリットが実に魅力的な一方、さまざまな誘惑のためにダラダラしてしまうことにもなりかねません。
人と会わずに社会的な距離を保とうとしている人にとって、在宅勤務はまったく新しいものです。深いところに放り込まれ、七転八倒し、どうにか1日の安定を見出そうと試みるでしょう。かわいい猫ちゃんが抱っこを求めて体をこすりつけてきたら、集中力を維持できますか? キッチンに積み重なったお皿の山が頭から離れないときに、生産性をどうやって高めたらいいのでしょうか?
この記事はそんなときに役立つはずです。在宅勤務でパフォーマンスを高めるためのシンプルな方法を以下でご紹介します。
目次仕事がしやすいホームオフィスの重要性
幸運にもすでにテレワークを実現できている人も、在宅勤務を余儀なくされた人も、家で仕事をすることは素晴らしい経験になるでしょう。
しかし、だからといってだれもが想像するような楽しく簡単なものになるとはいえないのが実情です。
在宅勤務にはたくさんの規律が必要になってきます。気を散らす物事、雑用、日々の用事、これらに囲まれていると集中して生産性の高い仕事をするのは困難です。
在宅勤務のあり方は人によって異なるので、ある人に当てはまることがほかの人にも当てはまるとは限りません。これを理解することが、まずはとても重要です。
ここで示すコツやヒントをうまく利用することで、在宅勤務をよく理解でき、快適にスムーズに仕事がこなせるようになるでしょう。
もしかしてあなたは世界一几帳面な人ではないかもしれませんが、問題ありません。あなたのホームオフィスは本やノート、外付けハードドライブなどで散らかっているかもしれません。
人によってはこのような環境は悪夢ですが、別の人にとってはこれがもっとも生産的な環境だったりします。
以下はアインシュタインの言葉の引用です。散らかった環境で働くことに対していくらか気分が良くなるのではないでしょうか。
散らかったデスクが散らかった精神の象徴だというなら、空っぽのデスクは何を表しているんだ? >-アルバート・アインシュタイン
自分ならどんな環境でやる気が高まるのか知っておくことが重要です。どういうタイプの環境が一番フィットしますか?
わたしの場合、すべてが整然としていることが必要で、デスクが散らかっている場合は混乱した不安な気持ちを反映しています。そのような環境では集中できないとわかっています。
しかしあなたの場合はどうでしょう? 散らかっていたほうがいいですか? その雑然さの裏には隠れた規律があるのでしょうか?
ここには正解も誤答もありません。ただ、自分に最適なものを知るために、さまざまな環境を一度試してみることには確実に価値があります。
そのような考え方をベースに、在宅勤務時の生産性を高めるその他の方法を見ていきましょう。あなたがどんなタイプのワーカーであってもOKです。
在宅勤務のやり方と生産性を維持する方法
- ワークスペースと個人スペースを分ける
- 片付けをして時間節約
- 成功できる服を着る
- 人間工学に基づいた美しい家具に投資する
- コワーキングスペースでの仕事を検討する
- 一週間前から食事を準備する
- 最重要ポイント:仕事を終わらせるタイミングを理解する
1.ワークスペースと個人スペースを分ける
ワークスペースと個人スペースを一緒にしてしまうことは、生産的とはいえません。
たしかに、仕事をしながらNetflixを観るのは、気持ちがのらないときには良いかもしれません。しかし、実際には生産性を大きく損なうことになります。そして、この2つの領域が1つになってしまうと、それぞれに時間を割り当てることがむずかしくなり、悪循環に陥ります。
もっとも悪いことには、ベッドルームが仕事場だと、大変な1日を過ごした後で職場に仕事を置いてくるということができません。
在宅勤務時にもっとも気が散る原因は何か、ビジネスのプロフェッショナルに尋ねたPorchの調査があります。
トップ5の回答がこちらです。
- つけっぱなしのテレビ
- 家事まわりの個人的な雑務
- おつかい
- エクササイズ
- コーヒーをちょっと飲みに外出する
身に覚えがありますか? 在宅勤務のどこかのタイミングで、おそらくこれらのうちどれかに対処する必要があったのではないでしょうか。
対処法は、ワークスペースと個人的な楽しみのスペースを明確に(物理的にも精神的にも)分けることです。1日の特定の時間をワークタイムとして割り当てるか、あるいは気を散らすものを手の届かない場所に追いやるか、どちらでも役に立ちます。
家の中で起こることから自分を切り離すことは、最初のうちはむずかしいかもしれませんが、効果はあります。機会があれば、ソファで仕事をするのではなく、予備の部屋をオフィスに変えてしまいましょう。
検討ポイント:ワークスペースが個人的な時間を過ごす場所と分かれていない場合、部屋の間仕切りの購入も検討してみましょう。
2.片付けをして時間節約
散らかすのが好きだとしても、少し整理することも考えてみませんか?
たくさんの物がありますよね。本、ノート、ペン、いたる所に。さらにパソコンのデスクトップでさえ、古いスクリーンショットやWordドキュメントなどでいっぱいです。
だいたいの場合、どこに何があるかわかっています。しかしあなたや家のほかの人にとって、それは快適な仕事環境とはいえません。
見つけることができない物についてはどうでしょう? 仕事で必要な書類を探すのにどれだけ無駄な時間を費やしているか知っていますか?
片付けが必要だと感じたら、次のステップを踏んでみましょう。
- 要らない書類を処分します。レシート、メモ、ノート、紙、その辺にあるものを何でも見つけたら、ただ箱に入れておくだけでもいいのです。
- ペン類やデスクで使う道具の収納場所を見つけます。
- デスクトップを週ごとにきれいにします。邪魔なファイルやもう使わないファイルを削除し、ゴミ箱も空にしましょう。パソコンを整頓するための生産性向上アプリもチェックしてみてください。
- ものを捨てます。炭酸飲料のペットボトル、空になったポテトチップスの袋、これらがデスクの上にあったらすぐゴミ箱へ。
検討ポイント:片付けを楽しみ、不要な書類を処分するためにシュレッダーを使いましょう。
3.成功できる服を着る
パジャマのまま日中を過ごし、コーヒーを飲み、ジャンクフードを食べるのは魅力的です。精神的にも肉体的にも健全とはいえません。
朝早くに起きて、ミーティングやオフィスに向かうときのような格好に着替えてみましょう。
こうすることで、あなたの1日を始めるマインドセットが整って切り替えることができます。
A Life of Productivityのチームによる実験で、どんな服装が高い生産性に結びつくか調査したところ、次のことが判明しました。
- 服装は象徴的なものであり、自分自身への意識に大きな影響を与える。パジャマを着ればリラックスして眠る準備ができますが、スラックスとボタンダウンシャツはメンタルを切り替えて「仕事モード」に入るのを助けます。
- 登場時間が長いほど、「そこに出て行こう」というモチベーションが高まる。ネットワーキングイベントやパーティーなど、より多くの人と接することで生産性が上がるような場合にとくに役立ちます。
- 帰宅時に服を着替えることで、オンオフの切り替えができる。ビジネス環境での服装がよりカジュアルになってきている昨今はとくに、こうした行為が職場と家庭との線引きに貢献します。
もちろんパジャマで成功感が得られるなら、ぜひともパジャマで仕事をしてくださいね。
検討ポイント:朝目覚めてから仕事に移行する前に、朝のルーティンを取り入れましょう。
4.人間工学に基づいた美しい家具に投資する
休憩のために何度か立ち上がるにしろ、集中し始めたらほとんどの時間をデスクの前で座って過ごしているのではないでしょうか。
人間工学的(エルゴノミック)家具に投資すべき理由がそこにあります。ワークスペースの環境が悪いと、生産性や健康を損ないかねません。
可能であれば、人間工学に基づいたのチェアかスタンディングデスクを試してみましょう。スタンディングデスクで数時間仕事をすることは、背中と生産性にとって有益です。
良いイスに投資する価値がわからない方のためにErgo Plusのチームは次のことを発見しています。
- エルゴノミックによる生産性の向上。人間工学に基づいた最高のソリューションは最大で25%生産性を向上します。ワークスペースを設計し、適切な姿勢、少ない労力、少ない移動、適切な高さとリーチを実現することで、ワークスペースはさらに効率的なものになります。
- エルゴノミックによる品質の向上。人間工学的な適切さを欠く環境では、ワーカーはイライラや疲労が増し、最良の仕事ができません。肉体的な負担がかかり過ぎるタスクの場合、熟練者としてのパフォーマンスが発揮できないこともあります。たとえば、従業員の作業台の高さが高過ぎると、ネジを十分に締めることができず、商品の品質に問題を引き起こしかねません。
検討ポイント:お気に入りのオンライン家具ショップで検索し、自分にフィットしそうなエルゴノミックのソリューションを見つけましょう。
5.コワーキングスペースでの仕事を検討する
Note:人との接触を避けるために外出できない場合でも、家の中の異なる場所を異なるタスクのために使用できます。
在宅で調子がでないときもあります。そんなときは、ホームオフィスを出て気晴らしをしましょう。
運良く、仕事をする場所は選択可能です。
図書館、コーヒーショップ、レンタルのコワーキングスペースなど、週のうち1日〜2日は外で仕事をすることを検討してみましょう。こうすることで、家での生活に休息を与えて自分の頑張りを再評価するのに役立ち、起業家としての孤独を取り除くことにもなります。
可能であれば、自然光の豊かな場所で仕事をしてみましょう。Psychology Todayの研究によれば、健康的な利点だけではなく、自然光が仕事場の生産性向上に大きく貢献することがわかっています。
また、オフィシャルなコワーキングスペース(コーヒーショップや図書館以外)で仕事をすることができれば、あなたを助けてくれる人の隣に座ることができたり、また手助けすることができる機会も訪れます。
検討ポイント:特定のタスクのために特定の場所を使ってみましょう。たとえば、メールの返信やデータ入力はコーヒーショップでおこない、集中が必要な作業は静かな家の環境を利用します。
6.一週間前から食事を準備する
通常、在宅勤務の場合は1日の仕事の時間を割いて料理をする必要があります。運がよければ、料理を手助けしてくれる在宅勤務のパートナーがいるかもしれません。
仕事をすべきときにキッチンで過ごさないといけない時間を抑えるために、日曜の夜にあらかじめ食事の準備をしておきましょう。つまり、大量に調理をしておき、タッパーなどに入れて保存して、毎回の食事に当てます。これで、料理のために仕事時間を割かずにすみます。
ボディビルダーやアスリートは、ずっとこのようにしてきました。起業家が同じようにしてはいけない理由はありませんよね?
作家で起業家のTim Ferrissは、UFCチャンピオンのジョルジュ・サンピエールがトレーニングと栄養管理の目標をどのように実現してチャンピオンになったかを解説しています。ジョルジュ・サンピエールが実験を始めた2009年に、Biceのシェフであり彼のパーソナルシェフでもあったJennifer Nickelは、Biceのプロキッチン全体を一人で利用してジョルジュのための3種類の食事を用意しました。ワークアウト後に冷たい状態で食べられる食事、夕食、そして翌日の朝食です。この食事の準備には2〜4時間かかりました。
あなたがジョルジュ・サンピエールほどの量を食べないなら、2〜4時間より少ない時間で準備できるはずです。試してみましょう! 食事の用意や調理が得意でないなら、食事配達サービスを活用できることも頭に入れておいてください。買い物の手間が省けて必要な食材だけ届けてくれるサービスや、調理済で温めれば食べられる健康的な食事を届けてくれるサービスなどがあります。
検討ポイント:次の日曜には食材と献立の量を2倍にし、すぐ食べられるヘルシーなランチを用意してみましょう。
7.最重要ポイント:仕事を終わらせるタイミングを理解する
目標達成のために何時間も働く起業家の話を聞いたことがあれば、長い時間遅くまで働くのは立派なことのように思えるかもしれません。しかし、彼らが自分の時間をどうやって捻出しているかについては、あまり聞いたことがないのではないでしょうか。
いつオンからオフに切り替えればいいのか、そのタイミングを彼らは知っています。
休憩を取ることはまったく問題ありません。これは重要なことです。テレビをある程度見ていてもかまいません。息抜きが必要だと感じたときに、やりたいことをやるのは問題ないのです。
息抜きの重要性について、Becoming Minimalistのチームは説得力のある理由を発見しています。
- 嫉妬、ねたみ、孤独などの不健全な感情を取り除くのに役立ちます。
- 何かを見逃しているという恐怖の感覚を防ぎます。
- 人生の最高の瞬間は今目の前で起こっています。
- 息抜きによって消費よりも創造が促進されます。
検討ポイント:お気に入りの番組をNetflixで好きなだけ観ましょう。散歩やランニング、好きなことをやりましょう! ただし、1日の仕事を終わらせた後で。
家で心地よく仕事をするために
ここまで、在宅で快適かつ生産的に仕事をする7つのコツを見てきました。これらを実践に移すことが大切です。在宅勤務への移行をより楽にするために、これらのコツを1つずつ試していき、マスターできたら次のものを選択するようにしましょう。一度にすべてを実践しようとすると大変で、いつもの悪い習慣に逆戻りしやすくなります。ポイントはシンプルです。小さく始めることが、在宅勤務を成功させる近道なのです。
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原文:Tucker Schreiber 翻訳:深津望