EC市場が拡大を続けるいま、複数のサイトを運営している企業や受注数が増えている企業も多いのではないでしょうか。受注するサイトや受注数が増えれば増えるほど、その管理は複雑になりミスも増えてしまいます。
今回は、そんな悩みを解決する受注管理システムについて解説します。おすすめ受注管理システムの比較やビジネスに合った選び方をお伝えします。
目次
受注管理システムとは?
受注管理システムはOMS(Order Management Systemの略)とも呼ばれ、注文から出荷までの工程を一括で管理し、受注に関連する業務を自動的に処理するシステムです。複数のECサイトの受注を一元管理したり、手作業による受注管理の人的ミスを軽減し、業務を効率化できます。メール送信やリピート顧客の判別などができるシステムもあります。
似た言葉に在庫管理システムがありますが、こちらは商品などの在庫の管理に特化したシステムです。受注管理と在庫管理をまとめて行えるシステムもあります。
受注管理システムの選び方
受注管理システムを選ぶときは、以下のポイントに注意して選びましょう。
操作しやすいか
日々の受注管理で操作性は大きなポイントです。画面や操作方法が煩雑だと、操作ミスなどにつながってしまいます。無料お試し期間などを利用して、誰でも使いやすいシステムかどうか確認するようにしましょう。
料金体系や費用対効果が自社に合っているか
受注管理システムには月額定額制と従量課金制の2種類があり、従量課金制は受注件数に応じて1件いくらというように課金されます。自社の売り上げ件数と料金体系や課金額を照らし合わせて選ぶ必要があります。例えば、繁忙期の売上は多いけれどその他の時期は少ない場合などは、繁忙期だけ定額制で利用できるシステムもあります。
また、費用を抑えようと安いプランにしたら必要な機能が使えなかったり、追加料金が発生してしまったりということがないように、どんな機能が必要なのか、プランにはどこまで含まれているのかをよく確認し、費用だけでなく費用対効果で選ぶようにしましょう。
他のサービスとの連携はできるか
ECサイトとの連携のほかに、倉庫システムや決済代行会社など他のサービスとの連携ができるかどうかも選ぶ際のポイントになります。自社が求める機能や運用しているシステムに合った受注管理システムを選ぶようにしましょう。
サポートは充実しているか
設定時や技術的なトラブル発生時など、しっかりとサポートしてもらえるかどうかも選ぶ際に確認しておくと安心です。無料サポート、導入サポートなど自社で必要になりそうなサポートを受けることができるか確認しておきましょう。
受注管理システムの種類は自社に合っているか
受注管理システムには「クラウド型」「フルスクラッチ型」「ハーフスクラッチ型」があります。それぞれの特徴や費用をよく調べ、自社の課題や予算に合ったものを選ぶようにしましょう。
クラウド型は比較的低価格で、インターネット上のシステムを利用するため短期間で導入することができ、システム更新なども自動的に行われます。既存のサービスを利用することになるので、機能などのカスタマイズ性が低い可能性もあり、自社にあったサービスが利用できるのかしっかりと確認する必要があります。
フルスクラッチ型はゼロから自社用に作り上げるため、求める機能が入ったぴったりなシステムを使うことができます。その分費用も高く、制作期間も長く必要になります。
ハーフスクラッチはパッケージなどすでに用意されたシステムを,自社向けにカスタマイズできます。クラウド型よりもカスタマイズ性が高く、フルスクラッチよりもコストを抑えることができます。システムをパソコンなどにインストールして使用するため、定期的なシステム更新などが必要になります。
必要な機能が備わっているか
受注管理システムは機能も幅広く、中には販売管理や在庫管理などもまとめて行えるものもあります。受注そのものだけでなく、受注確認メールや発送完了メールなどの自動メール送信機能や、販売店ごとに設定できる受注書の店舗名、新規顧客とリピート顧客の識別など、どんな機能があり、どの機能が必要なのかを考えて選びましょう。
受注管理システムおすすめ11選!
ここでは、導入しやすいクラウド型の受注管理システムからおすすめ11選をご紹介します。
- GoQSystem(ごくーシステム)
- NEXT ENGINE(ネクストエンジン)
- 助ネコ 受注管理(すけネコ)
- TEMPOSTAR(テンポスター)
- CO-NECT(コネクト)
- mylogi(マイロジ)
- コマースロボ
- Robot-in(ロボットイン)
- CROSS MALL(クロスモール)
- COREC(コレック)
- まとまるEC店長
1. GoQSystem(ごくーシステム)
費用:月額0円(月100件まで)~
初期費用0円~
特徴:月額定額制で注文数が増えても追加料金がかかりません。3か月から利用でき、データは1年間保存されるため、毎年繁忙期だけの利用も可能です。
2. NEXT ENGINE(ネクストエンジン)
費用:月額3,000円(月200件まで)+従量課金
初期費用0円
特徴:電話やFAXなどオフラインでの注文もCSVデータの取り込みなどで伝票を作ることができるため、オンラインとオフラインの注文をまとめて管理することができます。注文確認やフォローメールを自動送信することもできます。
3. 助ネコ 受注管理(すけネコ)
費用:月額2,000円(Liteプラン、月100件まで)+従量課金
初期費用30,000円
特徴:メール送信や同梱処理なども行えます。ベーシックプラン(月額20,000円〜)以上のプランにすると、リピーター判別も可能になり、メール内容の書き分けや、顧客のステータスに応じた細かな対応ができるようになります。
4. TEMPOSTAR(テンポスター)
費用:月額10,000円~
初期費用0円
特徴:受注管理から在庫管理、メール送信などを一元管理できるシステムです。バックヤード業務を一本化でき、事業の成長に合わせてカスタマイズできるのも特徴です。
5. CO-NECT(コネクト)
費用:要問い合わせ(フリープランあり)
初期費用0円
特徴:顧客とフリーチャットができる機能があり、注文内容や配送状況確認などスピーディな対応が求められる場面で便利です。量り売りやケース・ロット売りなどの販売単位にも対応しています。
6. mylogi(マイロジ)
費用:月額30,000円~
初期費用0円
特徴:ECサイト運営に特化したシステムで、受注管理から在庫管理まで一元管理できます。少ない在庫でも管理することができ、小規模ビジネスにもおすすめです。
7. コマースロボ
費用:月額0円(月100件まで)~
初期費用0円
特徴:住所チェックなどをクラウドRPA(ロボット機能)が行ってくれるだけでなく、処理ロボッドのカスタマイズもプログラミングの知識なく簡単に行うことができます。
8. Robot-in(ロボットイン)
費用:月額3,000円~
初期費用0円~
特徴:楽天市場ユーザーにお得な受注管理システムです。楽天市場へ出店している場合は初期費用無料の限定プランが利用できます。
Robot-in(ロボットイン)は、受注から顧客リストを自動作成してくれます。また、備考欄に入力があるものを自動識別し、振り分けの手間と見落としのリスクをなくしてくれます。
9. CROSS MALL(クロスモール)
費用:月額5,000円(1サイト毎)~
初期費用0円
特徴:商品課金・受注課金なしの定額性です。自動送信メールや一括発行の伝票に、各ネットショップの署名や店舗名・ロゴをそれぞれ設定することができます。
10. COREC(コレック)
費用:月額0円~
初期費用0円
特徴:BtoBに特化した受発注管理システムです。オンラインでの受注管理はもちろん、展示会などでスマホやタブレットを使用してその場で受注数を記録するだけで、控えメールを送信することができます。
11. まとまるEC店長
費用:月額9800円~
初期費用0円
特徴:商品課金・受注課金なしで使えます。無料の有人サポートも備えていて、導入から運用まで対応してもらえます。
受注管理システムを導入するメリット
効率的に受注業務ができる
複数のECサイトの受注を一元管理できるため、業務が効率化します。受注メールや出荷案内、場合によっては在庫管理なども自動化され、作業時間の短縮も見込めます。
受注管理が効率的に行えるようになることで、受注から顧客へ商品が届くまでの時間も短縮され、顧客満足度のアップにもつながります。
コスト削減ができる
受注管理システムを導入することで業務が効率化され、人件費も削減することができます。また、システム上での領収書発行などによってペーパーレス化し、これまで印刷に必要だった紙代やインク代など消耗費も削減できます。
人的ミスを減らすことができる
エクセルでの手入力や口頭での受注などアナログで行われていた受注管理が自動化され、データで管理されるようになるため、タイプミスや聞き取り間違いなどの人的ミスを減らすことができます。複数の担当者で業務にあたる場合も、システム上で一元化されたデータを利用するため、ばらつきや伝達ミスなどもおこりにくく、受注トラブルの軽減にもつながります。
受注管理システムの料金相場
受注管理システムの料金相場は導入費が0円から数百万と幅広くなっています。その中で、クラウド型の受注管理システムは無料から数万円台が多く、フルスクラッチなどゼロからシステムを開発するものは高額になります。
月額費用で見ると、料金相場は数千円から数万円になります。クラウド型の受注管理システムは種類も豊富で、価格帯も導入しやすいものが多くあります。
まとめ
業務効率化や顧客満足度のアップ、コストの削減など、恩恵の多い受注管理システムは、複数のECサイトを持つ企業や受注業務の効率化をしたい企業に多くのメリットがあります。しかし、導入費用やランニングコストがかかるため、自社に合ったシステムを選ぶことが大切です。
現時点では手作業で事足りているという企業でも、今後の事業の成長や人員不足に備えて導入を検討するのも良いでしょう。
受注管理システムについてよくある質問
受注管理システムの料金相場は?
受注管理システムの料金相場は0円から数百万円となっています。種類が豊富で短期間で導入できるクラウド型の受注管理システムの料金相場は、0円から数万円です。月額費用は数千円から数万円台です。
受注管理ソフトに無料版はある?
受注管理ソフト(パッケージ型)に無料版はありません。クラウド型では無料プランやお試し期間などが設定されているものがあります。