日常的なコミュニケーションツールとしてだけでなく、企業のマーケティングチャネルとしても活用が進むLINE。2021年3月時点でのLINE公式アカウント アクティブアカウント数※1は27万を超え(LINE株式会社調べ)、ECはもちろん様々な業界で利用されています。
※1 アクティブアカウント:LINE公式アカウントの認証済みアカウントのうち、月に1度以上機能を利用しているアカウント
下記はあるECサイトでの、LINE経由売上とメール経由売上の推移グラフです。
出典元:「LINE経由の売上がメルマガを逆転!」ウェビナー
2016年に线公式アカウント(旧LINE@)の活用を開始し,2019年にはメール経由売上を逆転。しかも、メール経由売上も伸び続けています。
メールで買っていた人がLINEで買うようになったというわけではなく、新たに「LINEで買う人」と接点を持てたと見ることもできるでしょう。
このように、LINEならではの特性を活かし、便利で身近なユーザー体験を実現することでLINEをECサイトの売上を底上げするチャネルに成長させることができます。
本記事では、売上アップに繋がるLINE公式アカウントの育て方を、基本から応用まで5つご紹介します。
目次
1.LINE公式アカウントの友だちを増やす- よくあるお知らせ方法
- Shopifyのクーポンコードで友だち追加促進
- 発展:ECサイトのお客様と友だちになるには?
- 発展:リッチメニューをタブ分けする
- 多様なメッセージタイプを活用して、商品の魅力を伝える
- あいさつメッセージを設定する
- 全ての友だちに一斉配信!全配信のメリット・デメリット
- 開発不要で始める:LINE公式アカウントの管理画面から行うセグメント配信
- 発展:ID連携をベースに、より効果的なセグメント配信を実施・自動化する
- LINEから数タップで購入完了!自動ログイン機能
- 購入・発送完了通知がLINEで届く!LINE通知メッセージ機能
1. LINE公式アカウントの友だちを増やす
LINE公式アカウントを活用して売上を上げるには、まずはメッセージの配信対象となるお客様……つまりはLINE公式アカウントの友だちを増やすことがファーストステップとなります。
これまでメルマガ等で接点を持っていたお客様や,新規でECサイトを訪問するお客様に,公行式アカウントの存在をお知らせしましょう。
いずれの方法でも、LINE公式アカウントの友だちになることで得られるメリットを分かりやすく伝えることが大切です。
◆よくあるお知らせ方法
- ECサイトに友だち追加ボタンを設置
- メルマガで「LINE始めました」と案内
- SNS(Twitter・Instagram等)で告知
◆Shopifyのクーポンコードで友だち追加促進
友だち追加でクーポンプレゼントという施策も、(クーポン分のコストはかかりますが)友だち追加促進施策としてよく行われています。
Shopifyでは、購買時に利用できるクーポンコードを発行でき、友だち追加いただいたお客様向けの施策としても活用可能です。
※クーポンコードの作成方法はこちら
◆発展:ECサイトのお客様と友だちになるには?
これまで紹介してきた方法(ECサイトに友だち追加ボタンを設置、メルマガで案内、SNSで告知)では、併せて「友だち追加でポイント・クーポンプレゼント」等のインセンティブも付与しないと、なかなか積極的に友だち追加していただけないという課題も。そこで活用できるのが、LINEログインと自動友だち追加機能の合わせ技です。
ECサイトでの会員登録・ログインの過程で、 ユーザーにとって自然な流れで友だち追加いただける のが強みです。
新規友だち登録数が前年比3倍になった事例も。この流れで追加される友だちは「(LINEログインを利用して)ECサイトの会員登録・ログインを行っている人」なので、 元々ECサイトに興味のある・温度感の高いお客様と友だちになれる のも魅力です。
2. LINE公式アカウントのリッチメニューを設定する
メッセージ配信の効果を高めるために、ぜひ設定いただきたいのがリッチメニューです。
- ECサイトのTOPページ
- シーズン商品のキャンペーンページ
- セールページ
- ランキング紹介ページ
- マイページ
……等へのリンクをリッチメニューに設置しておくことで、LINE公式アカウントを「ECサイトへの身近な入口」として利用いただけるようになります。
LINE経由売上の約7割がリッチメニュー経由だという事例もあるほど、LINE公式アカウント活用を行ううえで欠かせない場所です。メッセージの通知をきっかけにトーク画面を開いた時、目に留まるリッチメニューを設定しておくことで、LINE公式アカウントを入口にしたECサイト再訪を活性化させましょう。
◆発展:リッチメニューをタブ分けする
リッチメニューを2~3パターン用意し、ユーザー側でタブを切り替えられるような設計にすることも可能です。
お客様側でタブを切り替えていただくことで、「会員登録前の方向け・会員登録がお済みの方向け」等で別々のメニューを案内できます。
企業側でリッチメニューを出し分けて配信する必要が無いので、比較的簡単にリッチメニューのパーソナライズを実現できます。
エンドユーザー(お客様)
わざわざブラウザ検索等をしなくても、LINE公式アカウントを入口にECサイトを訪問しやすくなります
企業の担当者
メッセージの通知をきっかけに、ECサイトを訪問していただけるきっかけを増やすことができます(メッセージで送った商品には惹かれなかった場合でも、リッチメニューに魅力的なキャンペーン情報が載っていれば、そちらは見てもらえるかもしれません!)
3. LINE公式アカウントでメッセージを送ってみる
友だちが増えてきたら、メッセージを送ってみましょう。
新商品の訴求やキャンペーン情報など、普段メルマガで配信している内容をアレンジして送ってみたり、LINE限定のクーポン情報等を送ったり。
基本的にはバラバラにメールBOXに累積されていくメルマガと異なり、LINE公式アカウントでは同じトークルーム内にメッセージが累積されていくので、あるメッセージを機に過去分も見返していただける機会も作りやすい、という特徴もあります。
◆多様なメッセージタイプを活用して、商品の魅力を伝える
LINE公式アカウントには、シンプルなテキストメッセージの他にも、追加料金無しで利用できる様々なメッセージタイプがあります。
様々なメッセージタイプを活用して、魅力的なメッセージを配信しましょう。
※リッチメッセージの活用法
※カードタイプメッセージの活用法
◆あいさつメッセージを設定する
友だちになっていただけたタイミングは、LINEへの期待感・温度感が高いタイミングでもあります。この機を逃さず、自社アカウントの魅力や友だちならではのメリットを伝えましょう!
友だち追加後に自動で配信される「あいさつメッセージ」を設定することで、友だち追加していただいたお客様に、LINE公式アカウントの概要やメリットを伝えることができます。
◆全ての友だちに一斉配信!全配信のメリット・デメリット
全配信は配信先の細かい設定が不要で、全ての友だちに一律で伝えたいメッセージがある時には重宝される一方、メッセージの内容によっては「自分には関係ない情報だ」と判断され、ブロックされるきっかけになることも。
また、LINE公式アカウントでは、プラン毎の無料メッセージ通数を超えると追加メッセージ料金が発生するため、友だち数や配信通数に合わせてメッセージ配信方法と内容を考えていくことが、費用対効果を向上させるうえで重要です。
LINE公式アカウントの成長に合わせて、次章(4章)で解説する「メッセージのパーソナライズ」にも挑戦することで、より効果的に活用できるようになります。
エンドユーザー(お客様)
・「メールBOXよりもLINEで情報を受け取りたい」お客様が、より便利にECサイトの新着情報やキャンペーン情報などを知れるようになります。
・ショップからのお知らせを、LINE上で簡単に見返したり、まとめてチェックしたりできるようになります。
企業の担当者
メールだとリーチできないお客様に対して、LINEという新たなCRM接点を得ることができます。
4. メッセージをパーソナライズする
LINE公式アカウントを活用してECサイトのファンを増やすためには、メッセージのパーソナライズも欠かせません。一人一人のユーザーが「受け取って嬉しい」メッセージにするために、メッセージの出し分け(セグメント配信)を行ってみましょう。
◆開発不要で始める:LINE公式アカウントの管理画面から行うセグメント配信
「性別・年代・エリア(都道府県まで)・利用しているOS・友だちになってからの期間」の5種類のセグメントで分けてメッセージ配信を行えます。ユーザーIDアップロード・クリックリターゲティング・インプレッションリターゲティング等でセグメント分けを行うことも可能です。
◇LINE公式アカウント管理画面からのセグメント配信実施イメージ
- 自社ECサイトで購入経験がないユーザーIDを抽出し、クーポンメッセージを送信
- 配信済メッセージをクリックしたユーザーを除外し、 メインターゲットである女性30代のユーザーのみに再度メッセージを送信
- 配信済メッセージを開封したユーザーを除外し、開封していないユーザーのみに再度同じメッセージを送信
この方法では、セグメント配信のために特別な開発を行う必要がなく、手軽にセグメント配信を行えるのがメリットです。
しかし、LINE上での行動やLINE社が保有する行動データを元に推察した属性によってメッセージを出し分けることはできても、自社DBに保管されたユーザー情報(より正確な顧客情報やECサイト上での行動履歴等)に合わせた出し分けはできない点は課題として残ります。
◆発展:ID連携をベースに、より効果的なセグメント配信を実施・自動化する
ECサイト側の情報や他のShopifyアプリと組み合わせたメッセージ配信を実現したい場合には、ID連携された友だちを増やすことが重要です。
※ID連携とは?:Shopify上の会員IDとLINEのユーザーIDを紐づけること。
ID連携された友だちの増やし方については、こちらの記事もぜひご参照ください。
◇ID連携を活かした、効果的なメッセージ配信例
- かご落ち商品のフォローアップメッセージ
- 初回購入後のお客様限定のクーポンを配信
- お気に入り登録商品の再入荷通知
ID連携がされており、会員IDとLINEのユーザーIDが紐づいている場合であれば、これらのメッセージ配信はLINE公式アカウントの管理画面からも実施可能です。
(配信対象となるユーザーIDをエクスポートし、LINE公式アカウントの管理画面からアップロードする等で実現できます)
「お気に入り登録商品が再入荷されたら」等、特定の条件をトリガーにしたメッセージ配信を自動化したい場合には、Shopify Plus専用アプリ「Shopify Flow」の活用が便利です。
- かご落ち商品のフォローアップメッセージ:「Shopify Flow」のみ
- 初回購入後限定クーポンの配信:「Shopify Flow」とShopifyのクーポンコード機能等との組合せ
- お気に入り登録商品の再入荷通知:「Shopify Flow」とウィッシュリスト系のアプリとの組合せ
等の方法でそれぞれ自動化を実現できます。
また、送信対象を顧客タグベースで分岐させる(特定のタグがついているお客様にしか配信しない等)といった、自由度の高いメッセージ配信自動化の設計も可能です。
エンドユーザー(お客様)
より自分に合った情報が届くようになり、友だちとして繋がっていることのメリット(お得感)が大きくなります。
企業の担当者
・適切なセグメントで送ることで、メッセージの開封率・クリック率等の向上が見込めます。
・「このLINE公式アカウントからは良い情報が届く」と認知されることで、ECサイトのファンになっていただける可能性も向上するでしょう。
・LINE公式アカウントの通数課金レンジ(無料メッセージ通数を超過)に到達しそう、もしくは到達している場合には、無駄打ち配信を減らすことで通数課金対策にもなります。
5. 「LINEからだと、もっと便利に買える」ユーザー体験を実現する
さらに発展的な活用で、LINE公式アカウントをECサイトの購買体験向上に活用しましょう。
◆LINEから数タップで購入完了!自動ログイン機能
LINE公式アカウントで配信したメッセージやリッチメニューから、商品購入までのハードルを下げたい……そんな時に効果的なのが、LINEの自動ログイン機能です。※2※2 Shopifyで構築したサイトに、LINEの自動ログイン(および各種ソーシャルログイン)を「セキュアに」実装するためには、Multipass APIの利用が必要です。Multipass APIは、Shopify Plusでのみ利用可能です。(2021年5月現在)
Multipass APIについて
◆購入・発送完了通知がLINEで届く!LINE通知メッセージ機能
LINE通知メッセージ機能※3 を活用することで、電話番号ベースで(友だち追加されていないユーザーにも)便利な通知を配信できるようになります。
ユーザー目線で便利なのはもちろん、購入完了・発送完了通知をきっかけにLINE公式アカウントの友だちになっていただくこともでき、ユーザー・企業双方にとってメリットのある施策といえます。
また、2021年3月より提供開始された各種キャリアの新プラン(ahamo / LINEMO / povo)ではドコモ・ソフトバンク・au・ワイモバイルのキャリアメールアドレスが利用できなくなるなど、「会員登録時に記入されていたアドレスに届かない」という問題も、今後出てくるかもしれません。その解決策の1つとしても、LINE通知メッセージの活用はおすすめです。
※3 「LINE通知メッセージ」はLINE株式会社が提供する、企業からの利便性の高い通知を企業のLINE公式アカウントから受け取ることができる機能です。本機能の利用に同意することで、個別のアカウントを友だち追加することなく、簡単に通知メッセージを受け取ることが可能になります。対象はLINE株式会社がユーザーにとって有用かつ適切であると判断したものに限定され、広告目的のものは配信されません。
※「LINE通知メッセージ」に関して詳しく確認したい場合は、こちらをご参照ください。
※「LINE通知メッセージ」の受信設定を確認・変更したい場合は、こちらをご参照ください。
◆発展 : LINE通知メッセージの配信を自動化するには?
Shopify Plus専用アプリ「Shopify Flow」と CRM PLUS on LINE(旧:ソーシャルPLUS)を活用することで、注文完了や発送完了をトリガーにした配信の自動化も可能です。4章で紹介したセグメント配信と同様に、送信対象を顧客タグベースで分岐させる等の自由度が高い設計も可能です。
エンドユーザー(お客様)
LINE公式アカウントが、ただメッセージを受け取るだけの場所ではなくなります。タップ操作のみでのログインや購入・発送完了通知の受取もLINEで可能になり、購買体験がよりストレスフリーで便利なものになります。
企業の担当者
LINEを通じた顧客体験を便利にすることで、LINE経由売上のさらなる向上やLINE公式アカウントのブロック率低下等が見込めます。
LINE公式アカウントを活用して、ショップのファンを増やしましょう
お客様と直接接点を持つこと、ファンになっていただくことの重要性は今後も高まっていくことでしょう。今、MAU8800万人以上(2021年3月時点)の国民的なプラットフォームとなったLINEを活用しない手はありません!本記事が、LINE活用に挑戦する皆様の一助になれば幸いです。
……最後に宣伝にはなりますが、弊社フィードフォースが提供するアプリ「CRM PLUS on LINE(旧:ソーシャルPLUS)」をご利用いただくことで、ShopifyとLINEの連携活用をスピーディーに実現するサポートが可能です。「自社のECサイトだったらどんなことができるか知りたい」等のご相談からでも大丈夫ですので、ぜひお気軽にお声がけくださいませ。
◆ShopifyとLINEの連携活用ならCRM PLUS on LINE(旧:ソーシャルPLUS)
アプリ紹介サイト:https://socialplus.jp/lp/shopify_line
(協力:フィードフォース株式会社)よくある質問
売上アップに繋がるLINE公式アカウントの育て方とは?
2. LINE公式アカウントのリッチメニューを設定する
3. LINE公式アカウントでメッセージを送ってみる
4. メッセージをパーソナライズする
5. 「LINEからだと、もっと便利に買える」ユーザー体験を実現する