Ruby Frielは、かねてから自分の店を持ちたいと願っていました。彼女の起業家の旅は、10代の頃フローリストとして中小企業のオーナーのために働くことから始まりました。これは、世界中を旅しトレンドをリサーチし、見つけた小さなブティックやショップからインスピレーションを得ることでプロダクトデザイナーとして形になり始めました。そして2020年、英国ストックポートにあった自分たちの会社の上にある、手頃なスペースを友人が提供してくれたことをきっかけに、思い切ってやってみることに決めました。2020年3月、Rubyは貯金の3,000ポンドすべてを使い、英国のロックダウン1回目の1週間前に、Still Life Storyを開店しました。
チャレンジ
Still Life Storyの創業当初、Rubyは一人でビジネスのあらゆる面を管理し、約20種の異なる役割をこなしながら、生まれたばかりの子どもを抱え、母親業と両立していました。店はすぐに人気が出て利益を上げていましたが、Rubyは毎月、自分に給料を支払うか、新しいブランドに投資するかの選択を迫られ、利益のすべてをビジネスの成長に再投資することを選びました。
顧客と直接会話し、一人一人に合わせたサービスを提供して強い関係を築くことが、成長戦略の一部ではありましたが、ビジネスがある段階に達すると、会話だけでは十分ではなくなりました。戦略的に再投資を行うには、購買の意思決定の指針となるデータが必要だと、Rubyにはわかっていました。
解決策
Shopifyの分析ダッシュボードを使い、曜日ごとに店舗の総売上と取引数のモニタリングを行い、店舗の成長を月ごとに見直しました。
店舗のデータを見慣れてくると、Rubyはこの店の最も重要な指標が、商品種別売上であることに気づきました。Rubyは、指輪が1つ売れないことがあっても、ジュエリーが、コレクション全体としては、顧客の間で最も売れているカテゴリーであることに気づきました。このインサイトこそがRubyが必要としていたものでした。これにより、ベストセラー商品のカテゴリーを大幅に拡大し、利益を増やすことができたのです。
また、Rubyは、商品バリエーション別売上レポートを見ることで、各カテゴリーのなかで最もニーズがある製品を突き止めました。これにより、再投資すべき商品、店舗にアクセスを呼び込むソーシャルメディア機能を理解でき、さらに競争力のある価格戦略を把握することができました。
Rubyは、ベストセラー商品を出発点として、顧客のお気に入りの商品と一緒にクロスプロモーションを行うための補完的な商品を仕入れることで、効果的なカート構築戦略を生み出すことができました。
データは、Rubyの商品計画、販売、マーケティング戦略にも影響を与えています。Rubyは、在庫を、A、B、Cグレード品にランク付けしてくれるABC分析レポートを使っています。ABC分析レポートでは、利益の大半を占める商品と、ほぼ受注がなく無駄な倉庫や維持管理が発生する可能性のある商品を簡単に確認できます。Rubyはこの情報を、店舗での商品配置から、オンラインプロモーション、Cグレード品を高いグレードに引き上げるためにマイクロインフルエンサーと協力するマーケティング活動まで、毎日の意思決定に役立てています。また、商品の順位が上がらない場合、データが知らせてくれるため、次のキャンペーンで再入荷または値引きをすることを選べます。
結果
Still Life Storyは、顧客が求めるものを深く理解し、戦略的に商品ラインを進化させながら、幅広い層へのアピール力を維持しています。また、データを使って、ベストセラーや販売動向を把握することで、結果として冬のホリデーシーズンに売上が前年比50%増となりました。