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ノートパソコンで小規模ビジネス向けローンの申し込みを行っている女性。

コロナ禍で需要を伸ばすアメリカのサブスク市場【ニューヨーク発、最新EC事情 〜サブスク編〜】

アメリカは11月そして12月に入り、100年に一度と言われる高投票率を誇った注目の大統領選に、未だ収まる気配のないコロナウイルス感染者数の増加と、なかなか緊迫感の溢れる状況が続いています。ヨーロッパの各都市でも再びロックダウンが開始されているようですが、アメリカも例に漏れず、まだまだ制限の多い生活が続いています。

先日、Shopifyチェックアウト内でダイレクトにサブスクリプション体験が提供できるようになったことをお知らせしたばかりです。この機能によって今後はよりスムーズなサブスクのチェックアウトが可能になります。こうしたマーチャントのニーズを徐々に解決していくことで、日本でもより快適にサブスクリプション体験ができ、その需要が広がっていくと予想されています。

アメリカではすでに多岐に渡るサービスでサブスクリプションサービスが導入されていますが、コロナ禍のニューノーマルな消費行動において、サブスクリプションサービスが伸長しています。米Forbes誌のレポートによると、ロックダウンが始まった3月以降、サブスクリプションサービスを利用している人が増加。日本よりも強制的に自宅待機が迫られたこともあり、自宅で過ごす時間が増し、ショッピング体験はオンライン上に移行しました。これらの結果は確実に購買行動が変化していることも起因しています。グーグルトレンドのリサーチ結果を見ても、「subscription box」のリサーチ結果は全米各地でロックダウンの始まった3月15日から急激にそのリサーチ数が増しています。

サブスクもニューノーマルなショッピング体験

ロックダウン当初、注目を集めたサブスクリプションサービスと言えばNetflixに代表される動画配信です。自宅にいる時間が増えたことで、まずは映画やTVドラマを見る機会が増えた人たちが動画配信のサブスクリプションサービスに加盟しましたが、この現象は日本でも同じだと思います。アメリカのサブスクリプションサービスはジャンルもさまざまで、新聞や動画配信といったお馴染みのものから、ホームクッキングキット、カクテルキット、お菓子、本、子供向け玩具、ウェビナーへの参加資格などの教育系、洋服の貸し出しなど。女性向けではスキンケア、コスメティック、毎月違ったデザインのショーツを届けてくれるユニークなものまで。男性向けではグルーミング、シューリペアといった身だしなみを整えるものが目立っています。

自宅待機が続く中、新たなショッピング体験が求められている中で、サブスクリプションサービスが支持される理由は以下のようなことが考えられています。

  • 家の中にいながらにして、毎月驚きや発見がある
  • プロの編集により、今まで試したことのない製品を試すことができる
  • 新たな製品を試すことにより、新たな発見や自分の嗜好の広さに気づくことができる

アメリカは広大な国土の関係もあり、オンラインショッピングの需要が高いとも言われますが、エンターテイメント感を盛り込んだサブスクリプションサービスが顧客の興味を引いていることは確かです。

勝ち組と負け組も出てくる競争社会

コロナ禍でサブスクリプションサービスが伸長しているのは事実ですが、勝ち組と負け組が存在していきています。このニューノーマルな状況をチャンスに変えたブランド、困難な状況からビジネスモデルをピボットさせるなどしたブランドが好調な動きを見せています。サブスクリプションサービスは贅沢需要ということもあり、高価なものになるにつれ、新型コロナで巻き起こった不景気には解約されやすいとも言われています。コロナ禍で売上を伸ばしているのはホームクッキングキットなどの日常に必要とされる商品です。

CouponFollowの調査によると、1000人を超えるリサーチのうち、自宅待機の始まった3月以降、5人に1人がサブスクリプションサービスを始めたと言います。また、最も人気のあるサブスクリプションサービスとしてはHelloFresh(21%)、BarkBox(20%)、Blue Apron(19%)などが挙げられています。アメリカ最大の日本酒サブスクリプションサービスのtippsyは、今まで酒屋でにしかお酒を買わなかった層がこれを機にECサイトでお酒を買ってみようと流れ込み、3月以降の売上が500%伸長したと言います。

米VOGUE編集長のアナ・ウィンターやシェフのゴードン・ラムゼイなど、著名人を講師に招いた講座をオンラインコースで販売するMasterClassも、今年に入ってからさらに好調で話題に事欠きません。月$15、年間$180のサブスクリプションで著名人の講義が聞けてワークブックがダウンロードできるということで、コロナ禍で高まる習い事の需要をうまく満たしています。Bloombergによると、同社は5月にシリーズEラウンドで107億円の資金調達を行い、今後さらなるコンテンツの拡大に力を入れていく見込みです。

Shopifyを利用したサブスクリプションサービスにインタビュー

ニューヨークを拠点に日本のスナックのサブスクリプションサービスを行う「snakku」のファウンダーShigeki Abeさんは実際にShopifyのプラットフォームを使ってサイトを運営しています。

Q.snakkuをスタートしたキッカケは?

日本からアメリカに戻ってくるときにいつも日本のお菓子を買って来ていたのですが、アメリカ人から人気があることは知っていました。2015年はサブスクリプションブームだったのですが、サブスクリプションは自動更新で毎月お客さんが戻ってくるのでビジネスプランも立てやすくリスクも少ないのでスタートしました。日本のお菓子はバリエーションがどこの国よりも多く、47都道府県がオリジナルのお菓子を販売しています。そんな国は他に見当たりません。四季もあるので、サブスクリプションで常に新鮮なイメージのお菓子を届けられるんです。

Q.snakkuの強みは何ですか?

立ち上げ当初よりも日本のお菓子を販売する競合も増えて来ました。snakkuの場合は他社よりもカスタマーライフバリュー(CLV)が高いと思っています。お菓子のクオリティはもちろん、顧客へのエクスペリエンスの提供も質が高いです。リファンドのスムーズさや包装にリサイクル可能な風呂敷を使用したり、ブログのEメールをこまめに送るなど、顧客とのコミュニケーションのタッチポイントを増やしています。ボックスの中に日本のトラベルガイドをつけるというサービスもあり、喜ばれています。

Q.パンデミックに突入してからの売上の変化はありましたか?

4月は売上が伸びましたが、それ以降はそこまで変化がありません。この状況で海外からの輸送手段が大幅にカットされました。飛行機での貨物便も減ったので、とにかく運送コストがかかってしまっているのが現状です。中にはそのコストをカスタマーに上乗せして請求しないとビジネスが成り立たない人たちも多いので、コロナ禍でサブスクリプションサービスが伸びているというのは一概には言えないと思います。日本からのお菓子はもちろんですが、皆、パッケージの素材だったり、何かしらの海外で生産しているものがあると、今はアメリカに運送することが困難になっています。

Q.そうした状況でピボットしたことはありますか?

Amazonがバーチャル・トラベル・エクスペリエンス・サービスを開始したのですが、この商品を購入した顧客に対してsnakkuとAmazonがコラボしたスペシャルボックスを贈る取り組みをスタートしました。ピボットは難しいことも多いですが、こうした状況では必要な選択です。

Q.今後Shopifyの新しい機能を使用して、サブスクサービスを提供しますか?

先日そのニュースを聞きましたが、現在使用している機能と比較をする必要があります。もともとShopifyでプラットフォームを使うことにした理由は、コンテンツを強化していたことに加え、Shopifyは機能が多く、アプリストアでShopifyの機能を追加できたことが決め手になりました。現在、ロジスティクスの管理はShippingeasy(米国のマーチャント専用アプリ)を使用しているのですが、Shopifyの機能を使うことでコストがうまく抑えられるようであれば、とても魅力的です。また、サブスクリプションビジネスは顧客分析が重要です。現在、通常カスタマーはShopifyにて分析が可能ですが、サブスクリプションのユーザーはReCharge上での分析になります。今後、Shopifyにてサブスクのチェックアウトも一括することで、より包括的に顧客の分析ができるのではないかと期待しております。


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